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新・教職大学院について~⑥6年制コース紹介座談会~
~⑤6年制コースの概要~で紹介した6年制コースで実際に学んだ学生(令和4年2月、教育学研究科在学中)を招き、座談会を開催しました。コースの特徴や魅力などについて紹介していますので、是非ご覧ください。
【参加者】
・神代 健彦(教育学科准教授)
・弘田 敏基(学校教育専修2年次)
・田淵 風雅(保健体育専修2年次)
・中山 萌(国語教育専修2年次)
・龍 未来(英語教育専修2年次)
・山田 桃子(家政教育専修2年次)神代:まずは、6年制コースに入る前、きっかけの話です。そのときの気持ちを思い出して、どういう気持ちで6年制コースに入ってきたのかを話してください。どなたからでもいいですが、いかがですか?
弘田:僕は何か明確な目的があったわけじゃなくて、なんとなく大学院には行こうかなと思っていたときに、オープンゼミ(コース学生以外の学生に公開する6年制コースゼミ。公開する授業はその年によって異なるが、ビデオ分析の授業やアクションリサーチの発表会などを公開している)に行って、そこで先輩たちがビデオ分析をしているのを見たときに学年を超えて楽しそうにやっているのも見たし、学生と先生との距離も近くて、ここで勉強するのは楽しそうだなって思ったので入った。それが一番のきっかけになった感じです。
田渕:僕は学部の1回生の基礎セミナーのときに、当時6年制コースに所属していた先輩のお話を聞く機会がありまして、その話自体は教採の合格者が来るみたいな会で、しゃべっているなかで、合格してても大学院に行くっていう道もあるよみたいなのを初めて聞いたことに、直観的にいいなと思ってから、大学院というよりは6年制コースっていうところに魅力を感じ始めて入ってみようかなっていうのがきっかけにはなったかなっていう感じですかね。僕はオープンゼミとかは行っていないのでたまたまお話をしてくださった先輩がそこに所属していて、その話が自分の中に入ってきたというか、自分もそういう道もありかなと考えたことがきっかけです。
中山:6年制コースに入りたくて大学受験しているので、私は。広島(大学)かここ(京都教育大学)かで迷ってて、オーキャン(オープンキャンパス)にきて雰囲気がよかったっていうのと、6年制コースのビデオ分析とかアクションリサーチとか、M1(大学院1年次)で行ったインターンがあるっていうのを入学前に知ってたから入ったので、入ったきっかけっていうか大学に入るときから入りたいなって思ってた感じです。
神代:2つ目の、プログラムでの経験について、にいきましょう。ちょっといま思い出してもらって、これが印象に残ってるとか、これは自分にとって良かったな、大きかったなっていうのを、思いついた順に言ってもらえるとうれしいです。
龍:3回(学部3回生時)の4月、キャンプ、合宿。いまちょっとやりにくいですけど、あれが一番印象的かな。
中山:あれが一番印象に残っている。
龍:それこそすごく楽しかったですね。鶏にいろいろ詰め込んだり。ああいうイベントがあったのは面白かったです。
神代:僕はコロナになってからだからそのキャンプは知らないんですけど、どんな感じなの?
弘田:二日間で、初日はオリエンテーション・レクリエーションがメインで、仲良くなろうって感じで、二日目にアクションリサーチのテーマを決めたり、先輩からお題をもらって、僕らの時は「教科横断的な授業の構想」みたいなのを2時間くらいでつくってみるみたいなことをやりました。
神代:じゃあ、楽しいのもまじめなのも両方ともって感じなんですね。それは全部まるっと楽しかった?なるほど。他はなにかありますか?
弘田:ビデオ分析。
神代:どうでした?自分が分析される方と、する方と両方やったと思いますけど。
弘田:される方はサンドバッグ。実習のなかでそんなにちゃんと自分の授業を振り返るっていうことがなかったので、6年制入らずにいたらやって終わりだったのかなと思うんですけど、ちゃんと6年制のなかで学年も違うし領域も違う人に見てもらっていろんな視点から指摘をもらえるっていうのは3回生の時点でそれができるっていうのはすごくありがたかったなと思ってます。そこで自分も、逆に授業を見るときにどんな視点で見たらいいかっていうのにもつながったので、個人的にはビデオ分析は一番役に立ったことかなと思ってます。
神代:サンドバッグになるっていうのがすごいしんどそうに言いながら、でもよかったって言うから結果的にはどっちなんだろう?
弘田:最初は何を言われるかが全く分からないので。どんな視点から言われるっていうのも全然知らない状態なので怖いんですけど、3回生の段階で他の人が言われてるとか他の人のを見るっているのもあるし。見たり見られたりの経験が、たくさんあるので免疫がついていくというか、そういうふうに見たらいいんだって思えるようになりました。
神代:結構自分でもたくましくなったなって感じですか?
弘田:たくましくはなりました。
中山:自分の授業を自分が見るのがあんまりないから、癖がわかったりとか、しゃべるときにくるくるしたりするんですけど私は。癖がわかっていいなと。あんまり自分の授業って見ないじゃないですか。わざわざ自分でビデオ撮って見ようとはならないから、半強制的に見せられるのがいいなと思って。
田渕:教師の発問のワードには注目するようになったかなと思います。自分が授業をしているときは何気なく発しているような言葉でも、他の人の授業を見るときには、どういうことを指示出しているのかなっていうのはけっこう集中して聞くので、そのときの発問の伝え方とか言葉の選び方とか内容とかっていうのはすごい注意してみるようになってからどの人もそこを見れるようになったっていうのと、それを自分に置き換えたときにどういう指示がわかりやすいのかなと考えるきっかけが多くなったかなと思います。
龍:他教科の授業を見てるときは、英語科の観点というよりも児童生徒の観点になって見てることが多かったので、子どもやったらこうだからこうなんじゃないくらいの指摘はしたかもしれないけど、教科ごとの議論って少なかったかもしれないなって振り返ったら思います。
神代:最後に、後輩に対してメッセージを。
龍:英領(英語領域専攻)は2回生のこの時期にゼミを決めて、3回生では割り振られるので、6年制とはちょうど時期が近いので、やりたい分野とかも決まってると思うんです。私の代とは違って専門科目もだんだん下の学年に降りてきてる代なので、難しいなと授業で思ったことを、深められるチャンスが6年制にはあります。1個だけのところを、いろんな視点で、学生も先生も突っついてくれるので、ハッとさせられるタイミングは多いです。
弘田:教育学は教員になることを前提にすると、教科としての専門がないので、入ってくることで他の人は専門の教科をもってるからいいとこどりができるような感じがあるのかなと思います。特に教育学なんて小学校(教員を志望する)の人が多いと思うのでそういう面はあるのかなと思います。
田渕:体育の授業づくりとかいろんな研究方法があるかなと思うんですけど、そうなったときの視点として、体領(体育領域専攻)ばっかりで集まってると、この動きはできるよなとかこういう方向でできるよなって勝手に頭で想像してすすめちゃうので。運動とかがあんま得意ではない子たちも集まってくるとこかなと思うので、そういう人たちの中高のときこういうのが嫌やったとか、こういう動き難しいのに説明が少なかったとか、こんな動き教えてほしかったみたいな会話が授業づくりとか教材づくりとかに活かされるときがあるなっていうふうに思うので。そういう場がもてるよみたいな。かっちり話さなくてもいろんな人たちといる空間にいるだけでそういうことが考えられる視点が増えるかなっていうのは押すポイントかなというふうには思います。
山田:家庭科では、家庭科そのものが生活全般を扱ってる教科なので、誰も全く知らないっていうことが基本的にないものだと思っていて。研究について発表とかしても素朴な疑問をぶつけてもらえたりして、そういう視点って家庭科の教科の先生とか、他に疑問をぶつけてくださったりする場としては家庭科はとっつきやすいのでいいのかなって思いました。この前の実践発表のときとか特に。そもそも学部の領域の同期が少ないので、それ以外の人の話をビデオ分析のときとかもできるだけ多くの人に見てもらって意見をもらえるっていうのは6年制だからこその魅力かなって私は思いました。
中山:ふうがくん(田渕)とかももちゃん(山田)とかが言ってたように、いろんな領域の人とっていうのが、一番かなと思ってて。国語領域にいる人って国語ができる人の集まりだと思うんですよ。数学(数学領域専攻)にいる人は数学ができる人の集まりだと思うんで。国語ってけっこう感覚で解く問題とか、こう読むやろみたいなとか。あと本が嫌いってあんまりいないから、そこを前提にしゃべっちゃうから授業とかでも。どこでつまずくのかがわからないみたいなのがあって、それって国語を専門にしてる人の間でしゃべっても解決しないので、一回国語っていう枠から飛び出して6年制のいろんな人としゃべることで、国語のなかでは得られない視点とか考え方とか得られるのが、自分の研究したいものを考えるときにけっこう大事になるんかなと思います。
神代:みんな、大きくは「視野が広がる」って」ことを強調してくれたけど、それぞれの領域の固有性をふまえて言ってくれたので、これはけっこう後輩たちにも響くんじゃないかなって思いました。それぞれの領域のなかでの言葉でしゃべってくれたのでとてもよかったです。ありがとうございます。
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