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「出会う、ひろがる、つながる人材を育てる」-グローバル人材育成プログラム
京都教育大学では現在「グローバル人材育成プログラム開発プロジェクト」を進めています。このプロジェクトをリーダーとして推進している村上登司文教授(副学長(研究推進担当))にお話を伺いました。
▲村上登司文教授
-グローバル人材育成プロジェクトとはどんなプロジェクトですか。政治や経済をはじめ、学校でもグローバル化が進展する中、グローバル化に対応できる力をすべての子どもに付けさせることを目的としたプロジェクトです。グローバル人材とは単に英語が話せる人ではありません。グローバル化の中で、人々が出会って、考えが広がり、お互いにつながりあってよりよい社会をつくりだすこと、そしてみんなが幸せな人生を送ること、それを実現するための力をつけようとしています。
そのためには、人類全体の歴史の中でグローバル化を考えたり、複雑に絡み合ったグローバル社会の問題を読み解いたり、「公正さ」と「効率性」といった対立する価値について考えたりすることが必要です。実は、小、中、高校で学ぶ教科の中には、こういったことに関係する内容がたくさん含まれています。それを幼稚園での学びも含めて「グローバル・スタディーズ」としてまとめ、新しい視点から授業開発をしようとしています。
▲グローバル・スタディーズ全体のイメージ
グローバル・スタディーズには「グローバル・ヒストリー」「グローバル・イシュー」「グローバル・エシックス」という3つの島(主題別授業)があります。
▲グローバル・スタディーズの3つの島-これまでの成果を教えてください。
2017年から「グローバル・スタディーズ」の開発を始めました。2017年と2018年の2年間で、附属学校園の先生方と協力して37の授業を開発しました。
今後は公立学校と協力して授業を作りたいと考えていて、いまその可能性を模索しているところです。-学生とは関係があるのでしょうか。
学部の学校教育教員養成課程では「グローカル教員育成プログラム」というプログラムがあるのですが、そのプログラムでは附属学校園の「グローバル・スタディーズ」の授業録画を学生が見て分析しながら学んでいます。
また、「国際教育論」「平和教育論」といった科目でも「グローバル・スタディーズ」の考え方を紹介しています。-最後にこのプロジェクトに掛ける意気込みをお聞かせください。
「子どもたちは未来からの留学生」という言葉があります。子どもたちが帰っていく先の未来の世界は、いまよりさらにグローバル化が進んでいます。その社会に適応できるような子どもを育てられる学習環境を作っていきたいと思います。
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