入学式告辞
令和8年度入学式告辞
新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。
本日、皆さんは京都教育大学の一員として、新たな一歩を踏み出されました。この晴れやかな門出にあたり、心よりお祝い申し上げます。
また、これまで皆さんを支えてこられたご家族ならびに関係者の皆様に、深い敬意と祝意を表します。京都教育大学の学長として、全構成員とともに皆さんをお迎えできることを、大変嬉しく思います。
この春、教育学部323名、連合教職実践研究科90名、特別支援教育特別専攻科11名、あわせて424名の入学が許可されました。
本学は今年、創基150周年という大きな節目を迎えます。その源流は、明治9年、近代国家に必要な小学校教員の養成を目的として設立された京都府師範学校に遡ります。戦後の昭和24年には新制大学として京都学芸大学が発足し、昭和41年に現在の京都教育大学へと改称されました。
この長い歴史と伝統に培われた「知の蓄積」と、地域社会とともに歩んできた「実践の重み」は、本学の確かな礎です。本学の卒業生は、日本の教育を支える担い手として、全国各地で活躍しています。
振り返れば、私自身も約半世紀前、皆さんと同じくこの門をくぐり、新入生としてこの場に立ちました。そのとき胸に満ちていたのは、未来への期待と、これから始まる歩みへの静かな誇りでした。その記憶は、今なお鮮やかに心に残っています。
本学の理念は、「人を育てる知の創造と実践を担う大学」であり、「時代の要請に応じた学校教育のあり方を追求する」ことを使命としています。
学生一人ひとりの人権を尊重しながら、専門性と実践力を備えた人材を育成し、その成果を地域社会や教育現場と共有することで、新たな社会的価値の創出を目指しています。多様な主体との連携と共創を通じて知の循環を生み出し、変化の時代においても未来を切り拓く大学であり続けようとしています。
しかし、現代社会は大きく変化しています。
少子化の進行、国際情勢の変動、生成AIをはじめとするデジタル技術の進展、そして多様性の広がりー教育を取り巻く環境は、かつてない速度で変わり続けています。
特に教育の現場では、学習面や行動面に困難を抱える子ども、不登校の子ども、多様な文化的・経済的背景を持つ子ども、さらには特異な才能を持つ子ども(ギフテッド)など、対象の多様化が一層進んでいます。
こうした時代において、あらゆる違いを超えて、すべての人が共に学び、共に成長する社会を実現することが求められています。皆さんには、教育実習や実地教育での学びを通して、多様な教育現場に対応できる知識と経験を身につけてほしいと願っています。
本学には、そのための多様な学びの機会が用意されています。その一つが「プラアル」、すなわち「プラス・アルファ」の学びです。インターンシップやボランティアによる実践経験の充実、複数校種・複数教科の免許取得など、みなさんの主体的な挑戦とやる気を支える制度です。さらに、学部の4年と大学院の2年を組み合わせた「6年制教員養成高度化コース」も設けられています。
本学の公式YouTube「kyokyo channel」では、大学紹介動画や補助教材、教職員による講義など、4,500本を超えるコンテンツを公開しています。皆さんの学びを支える資源として、ぜひ積極的に活用してください。
本日は、皆さんにとって新たな出発の日です。これからの4年間は、多くの知識や多様な技能を修得するとともに、自らを見つめ、他者と関わり、社会とのつながりの中で自己を形成していく、かけがえのない時間です。
皆さんの4年間が、実り豊かで未来へとつながる充実した日々となることを、心より願っています。
改めまして、ご入学、誠におめでとうございます。
令和8年4月7日
京都教育大学長 原田 宗彦