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学長インタビュー ~大学のコロナ対応と京教の今後~ ④
SP:ありがとうございます。最後になりますが、京都教育大学の今後の未来や展望について、お聞かせ下さい。
学長:今まさに国立大学が大きく変わる時ですが、教員を養成すること、それから現職の先生方の研修を行うことは不変だと思います。知識を伝達するだけなら、それこそオンラインで容易に可能になっていますが、むしろ大学の在り方というのは、人と人とのコミュニケーションなど、ライブでなきゃいけないような活動を中心に移ろっていくだろうと思うんです。それは本学についてはむしろ好ましいことです。今は、(本学は)対面授業をやらざるを得ないカリキュラムになっているので、そこをしっかりと充実させていくことが本学の教育方針です。また、本学は小さい大学だということは分かりますね。お金が減っていく一方で、やらなきゃいけないことは多岐に渡ってくるので、単独の大学だけでやっていくのが難しいことも出てくると思います。ですから、京都府内の他大学と連携して、様々な先生を共通で雇ったり、学生を互いに受け入れ合ったりする体制を整えたいと思っています。とは言え、教員養成系大学と提携しようとは今は思ってないんですよ。もしそうなれば、両方の大学にいる同じ専門の先生が半数しか必要なくなってしまう。そうではなく、例えば仮にですが総合大学と提携するとします。その大学にも教育学部があって、非常に優れた先生がいらっしゃるとしても、向いている方向が違っているんです。もちろん、総合大学にも現場に即した講座もあるだろうけれども、多くがもっと学問研究として教育学を見てらっしゃる。本学の先生方も、個人で教育学の研究はやってらっしゃるけれど、大学の方針としては教員養成に教育学を役立てるという方向なので、向きが違うんですね。ただ、他大学と連携することで、多様な授業を受けられて選択肢が多いのは良いに決まっているので、そういうことはできればなと思っています。それが出来るとずいぶん話題になると思うんだけど、かなり大変です。大学って大学ごとにずいぶん違っているから、そんなに簡単には行かないんですね。僕の任期があと 3 年あるので 、その間にはどうにかしたいと思っています。▲インタビュー後の記念撮影(左から村岸、太田学長、鹿間)
5.さいごに
今回のインタビューでは一学生の立場ではわからない、京教の今後の展望や学内の新型コロナ対策の具体的な取り組みとその意図を中心とした話を多く伺うことができました。これらを受けて、京教SP内では「感染対策について事前・事後ともにきちんとした対応をしていることがわかり、対面授業に前向きな気持ちになった」という意見があがりました。
一方で、「基礎疾患を抱えるなかで、いつまた感染者が出るかわからない状態で大学に通うことには非常に心配だ」という意見もまた京教SP内であがりました。きっと不安に思っている学生も多くいることだと思います。そのような学生が安心して大学に通えるようになるために、対面授業を通して教師としての熱意を持った一人前の人材を育てるという教育大学の理念を追求しつつも、学生の不安によりそった大学運営がなされることを切に願う次第です。
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