現在、私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールであるLINEの機能の一つ、「LINEスタンプ」を皆さんは使われているでしょうか。LINEスタンプには、「手軽さ」「かわいさ」「面白さ」などたくさんの要素が詰まっており、楽しんで使う人も多いことでしょう。
　なんとこの度、このLINEスタンプに、京都教育大学公式マスコットキャラクター「そったくん」が登場することになりました。今回はそったくんLINEスタンプの発売を記念して、その制作秘話を取材しました。

そったくんスタンプ化計画の背景

　まずはスタンプ化プロジェクトメンバー、本学の地域連携・広報委員会副委員長で美術科の丹下裕史教授にお話を伺いました。
　そもそもスタンプ化計画が持ち上がる前から、そったくんは京都教育大学の認知度をあげてくれる存在として期待され、大学でも広報に活用されてきました。
　しかし、今回のそったくんLINEスタンプ制作のアイデアは、学生から提案されたもの。LINEスタンプは、大学生も高校生も、そして教員も頻繁に使います。また、愛らしいそったくんのフォルムは学内外で人気が高いです。そったくんを使ったLINEスタンプの制作は本学の地域連携・広報委員会ですぐに承認されました。
　スタンプのイラストは、提案者の一人である美術領域デザイン研究室の坂本湧一さんにお願いすることになりました。また、スタンプの内容は、食堂などにアンケートを設置し、学生の意見をもとに決定されました。
　スタンプによって、高校生や大学生がコミュニケーションできることはもちろんのこと、気軽な購入で大学に貢献することもできます。そったくんスタンプが使われることで、そんな様々なつながりが生まれることが期待されます。「坂本くんのデザインはとてもやわらかいタッチで描かれていて、親しみを感じさせるものに仕上がっています。彼に頼んでよかった。」と朗らかに語る丹下教授の様子が印象的でした。

スタンプへの思い

　次に、スタンプの制作者である坂本さんから直接お話を伺うことができました。
　スタンプを制作するにあたって最も苦労した部分を尋ねてみたところ、そったくん自体のデザインを大きく変更することなく、気軽に使えるコミカルな印象を見る人に与えるようなタッチの絵柄にすることに苦心されたそうです。坂本さんがスタンプのデザイン案の構想を練り始めたのは昨年（２０１８年）の１２月からだそうで、制作期間は実に約６ヵ月！坂本さんの工夫の跡がうかがえます。実際に、完成したスタンプを見せていただけました。そったくんのデザインを踏襲しつつも、大きなクチバシやトサカがとても印象的であり、これまでとは異なる斬新なイメージを覚えるものでした。諸般の事情により、今記事にてスタンプを掲載することは残念ながらできませんが、坂本さんから特別にそったくんのイラストを描きおろしていただきました。ご覧の通り、何とも愛くるしいデザインに仕上がっています。

▲坂本さんによるイラスト

　また、どのようにスタンプを使ってほしいか尋ねたところ、学生間で気軽に送ってコミュニケーションを取り合ってもらえれば嬉しいとのことです。スタンプの内容には、在学生にはくすりとくるような"京教生あるある"なども盛り込まれています。きっと友達や先輩後輩の間での交流にも一役買ってくれることだと思います。
　「言葉では伝えにくいことでも、気軽に自分の思いを表現できることがLINEスタンプのいいところだと思う。そったくんスタンプがそういう面でコミュニケーションツールの１つとして役立てば嬉しい。」と少しはにかみながら坂本さんは語っていました。
　ぜひともこのイラストを見て、良い！と感じられた方は購入を検討していただきたいです。

文/鳴橋杏理（国語領域）・佐々木博紀（教育学専攻）