谷 陽良（大学院教育学研究科　数学教育専修２回生）
留学先：ドイツ、フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン＝ニュルンベルク
留学期間：1年間

　「京都という都市は日本のどこにあるの？」。これが留学間もないオリエンテーションの時にドイツ人の学生が私にした初めての質問でした。日本で誰かが「出身地はどこですか？」と私に尋ねても「京都出身です」と答えると、多くの方が伝統や歴史のある都市だと感心してくれます。また、テレビを見ていても外国人の旅行者が多い都市の一つとして紹介されることがあり、私は多くの外国人の方が既に知っている都市だと思っていました。しかし、この質問をされた時に初めて自分の常識が覆され、改めて自分が異国の地に来たのだと感じました。

　私がドイツに留学したいと思ったきっかけは、学部生の時にドイツで行われた学会に参加したことです。その時自分がまだ知らない世界がたくさんあることに気付き、外国の文化や歴史等を知りたいと感じました。そして、大学院でドイツの教育について研究するようになり、今ではドイツの大学でドイツ語だけでなく、教育学や数学を学んでいます。私生活では、ドイツ人だけでなく他国の学生たちとも交流しています。色々な国の学生と話すことによって考え方や文化等の違いを感じられ、留学をすることによって得られる楽しい経験が出来ています。

　将来日本で教員として働いたときに、私はこの留学で学んだことを子ども達に還元していきたいと考えています。現在の数学教育にはない新しい視点での指導方法を取り入れ、子ども達の学力向上や学習意欲の向上に努めたいです。また、留学中の経験等を子ども達に伝えることによって外国への関心や興味を持たせ、外国の歴史や文化、人々の個性を知ることの喜びを感じて欲しいです。