教員紹介

各分野を担当する6人の教員が在籍しています。

教授 植山 俊宏 UEYAMA Toshihiro

国語科教育

担当授業:
国語教育概説、国語科教育特講、国語科教育演習、      初等国語科教育、中等国語科教育 など

自己紹介

小学校・中学校・高校の教材についての分析方法を研究しています。主に説明的文章・評論文を扱うことが多いのですが、文学作品教材も取り上げます。

また作文や俳句、短歌の創作方法やその授業方法についても取り組んでいます。よく実践現場に出かけて俳句や短歌の授業をしています。
その他国語教育の歴史についても専門としており、特に戦後の日本の国語教育がどのような道をたどってきたのかを見極めようとしています。

なお、学生と週一回程度短歌会を開き、楽しむことも続けています。また実践現場の先生と研究会を持ち、互いに磨き合う機会ももっています。

メッセージ

国語教育という専門分野に該当する高校までの教科はありません。皆さんは常に国語を教わる側でとらえてきたはずです。ですから大学に入って初めて教える側から国語教育を考えることになります。

国語の教師がどのような準備をし、そのような考えで授業を行うのか、その背景にあるものは膨大でかつ複雑です。なかなか届きにくいと感じることが多いと思われます。しかし、「蟻の思いも天まで届く」です。
地道に一つ一つ身につけていけば優れた国語の教師を目指すことができます。

准教授 寺田 守 TERADA Mamoru

国語科教育

担当授業:
国語教育概説、初等国語科教育、中等国語科教育Ⅱ・Ⅲ、 国語科教育特講A・B、国語科教育演習C など

自己紹介

小学校・中学校・高等学校の国語科教師を目指す学生たちに授業を行っています。言葉を仲間と学ぶことは楽しいものです。楽しさとやりがいを国語科の授業で実現するためにはどうしたら良いのか、というところに力を注いで講義を行っています。

研究では、教室で文学を読むことの意義と方法について、理論と実証(調査、実験授業など)の両面から考えています。「みんなで本を読むと楽しい」という点に狙いを定めて研究を行っています。
読者反応理論や英語圏の母語教育の動向を手がかりとしながら、日本型の学習指導法の開発を行っています。

最近は映像を<読む>行為にも関心があり、メディア・リテラシー教育にも手を伸ばしています。

メッセージ

国語科教師を目指す学生達と話をしていると、高校時代の読書経験がよく話題にのぼります。「友達と定期テストの対策をしていると勉強そっちのけで作品の解釈に盛り上がった」という話をよく聞きます。
だから文学が好きだ、と言うのです。私はこの辺りに読むことの学びの大切な核があると考えています。読んでいる間に浮かんできた思いを言葉にして伝えると、反応が得られ、面白さを感じます。

読む経験を共有することでしか伝えられない学びが確かにあるように思われます。仲間と学ぶことで感じる楽しさややりがいについて一緒に考えていきましょう。

講師 小林 賢太 KOBAYASHI Kenta

国文学(古典)

担当授業:
国文学概説、国文学演習、古典文学特講、古典文学演習、小学校教科内容論(国語)など

自己紹介

平安・鎌倉時代の和歌を中心に、日本の古典文学を研究しています。一首の歌の解釈を大切にするとともに、約千年前の人々がどのようなコミュニティの中で歌を詠み、どんな意識で歌を書き残そうとしたのかを解明したいと思っています。

授業では、国語科教員として必要な古典の知識を身につけてもらえるよう、物語や日記、随筆、詩歌、文学史など様々な内容を扱うよう心がけています。

メッセージ

外国について学ぶことは、空間的な他者と出会い、異文化に触れ、多様な価値観を育むことにつながります。一方、日本の古典を学ぶことは、時間的な他者と出会い、これもまた多様な価値観を育むことにつながります。
現代社会においては文学、特に古典は実用的ではないと考えられがちです。しかし、広い視野・柔軟な思考を育むうえで、古典文学はとても有意義な学問だと思います。
とはいえ、まずは楽しむことを大切にしてください。『枕草子』のときめき、『源氏物語』の光と影、『百人一首』のきらめき、『平家物語』の躍動……。
京都の街はあちこちが古典文学の舞台です。歴史と文化が折り重なる地で、古典を読み解いてみませんか。

教授 天野 知幸 AMANO Chisa

国文学(近・現代)

担当授業:
日本文学、国文学特講、近・現代文学特講、      小学校教科内容論(国語)、小学校国語科教材論 など

自己紹介

日本の近現代文学と文化について研究しています。研究対象としているのは主に戦後文学と当時の言論環境です。また、文学を通してジェンダーや身体についても考えています。

文学は記憶を後世に遺すメディアであるため、文学という窓を通して、過去の歴史やそこに生きる人間のありようを考察することができます。文学作品には作家固有の世界が描かれていると思われがちですが、分析することで見えてくるものは、社会制度であったり、その時代に支配的な価値観だったりします。文学や文学研究が垣間見せてくれる世界は実に大きいです。

授業では、多様な書き手、時代の作品を読んでいます。つい私が喋りすぎてしまいますが、学生同士の自由闊達な議論を大事にしています。文学を間に挟んで深い対話ができる、そうした授業やゼミを心がけています。

メッセージ

附属幼稚園の園長を併任し、幼い子どもの世界に触れたことで、学びと遊び、物語と遊びの深い関係に気づきました。遊びを通して子どもは、自己と他者を区別し(理解し)、共同性や創造性を育みます。大人の物語受容も同じです。また、子どもにとって遊びと学びの境はありません。本来はそうあるのが理想だと、砂場で遊ぶ子どもの姿を見て、また、絵本を食い入るように見る姿を見て、感じました。

物語から得られる感動や驚きをぜひ大切にしてください。教科書の作品でも、お気に入りの作品でもいいです。未知の世界や風景が、また逆に、自分の価値観や感性に近い世界がそこにあるでしょう。そうした出会いの蓄積は、いつか現実世界でも役立つと思います。

教授 谷口 匡 TANIGUCHI Tadashi

漢文学

担当授業:
中国文学、漢文学概説、漢文学特講、漢文学演習、      小学校国語科教材論 など

自己紹介

中国古典について唐宋代の散文文学を中心にその表現やジャンル(文体)の視点から研究しています。また最近では『史記』が伝記文学として後世にどのように影響し、展開したかにも興味をもっています。

国語教育の方面では、漢文の指導法や教材の開発などを行い、漢文学における専門的な研究成果を国語科の授業でどう生かせるかを考えています。

メッセージ

受験勉強の反動もあったのでしょうが、私が高校から大学に進む時に考えたのは、大学では4年間、次のステップである就職とは全く関係のない勉強をしようということ。

そこで選んだのが文学、しかも中国の古典という分野です。就職での有利不利などを考えず、純粋な興味からの選択でした。もっとも結果的には仕事に直結してしまったのですが、それとは関係なくこの選択は正しかったと思います。どのような領域であれ、大学で真剣に学んだ知識は血となり肉となってその後の人生に活きてくるはずです。

私の場合、学生時代に中国古典の読み方を恩師に習ったことが、今の仕事と繫がっていることとは別に、生きていく上での大きな支えになっているような気がします。

教授 浜田 麻里 HAMADA Mari

日本語教育

担当授業:
児童生徒のための日本語教育論A・B、日本語教育論、    第二言語習得論、国語音声学、国際教育論 など

自己紹介

グローバル化の進展する中での日本語教育について考えています。
最近は、日本語が母語でない子どもたちの学校での指導や受入、対応する教員の養成などについて研究しています。

また、地域の外国人支援ボランティアの人達との協働にも取り組んでいます。

メッセージ

ことばに関わっていこうとする皆さんには、広い視野に立ってことばの学びや教育を捉えてほしいと思います。「広い視野」を手に入れるための一つのヒントは、外から見ること。国語の教育について考えるとき、いろいろな国の言語教育のあり方や、外国語としての日本語という観点から得られるものがきっとあると思います。

もう一つのヒントは、社会的文脈においてことばがどのような役割を果たしているのかを考えるということ。ことばは、人を感動させること、傷つけることもできます。ことばのもつ力が、人を抑圧することも、人に力を与えることもあります。
遠く離れた人々や、過去や未来の人々とつながることも、ことばによって可能になります。

ことばと豊かな「つきあい」をしていくための土台作りを、これからしっかりとしてほしいと思います。



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