本学を中心とする教員および学生有志による「京都教育大学外国人の子どもの教育を考える会」の算数・数学動画制作と公開による教育支援の活動が、テクノロジーの教育利用に多大な貢献のあった優れた挑戦として、一般社団法人日本IMS協会主催の第７回IMS Japan賞「優秀賞」を受賞しました。

　この活動では、2016年度より本学学生が制作した日本語版の算数・数学動画教材や、さらにそれを本学や他大学の留学生の協力により、ポルトガル語、中国語、英語、ベトナム語、韓国語の多言語に翻訳して制作した動画教材を公開しています。これにより、日本に在住する約5万人の日本語指導が必要な外国人の子どもたちに対する母語教材での算数・数学学習支援、さらに日本語教材を併用することで日本語指導にもつなげることを目的に取り組んできました。また、ウクライナ情勢を受け2022年4月からは、ウクライナ語版算数・数学専用ホームページを立ち上げ、国内外に避難する多数のウクライナの子どもたちの学習支援を開始しています。

　受賞理由は、これらの活動の社会的な意義や、将来のDX化の可能性から、国際的通用性の高い取り組みと評価されたためです。

　「京都教育大学外国人の子どもの教育を考える会」の代表の黒田恭史教授は、「海外の選考委員からは、教育を提供する側、受ける側という固定的な役割概念を超えて、相互に貢献しあえる関係の中での新しい教育のスタイルの可能性の点から、高い評価を得た。今後も、日本語指導が必要な外国人の子どもが増加することが予想されるので、様々な言語に対応した算数・数学動画教材を制作していきたい。」とのことです。

　この活動で制作した動画教材は約3500本（2022年11月現在）で、京都教育大学公式YouTube「kyokyochannel」で公開し、文部科学省のホームページでの紹介をはじめ、全国の教育委員会・学校現場で活用されています。

〇表彰式の様子
（令和4年11月1日、東京都で開催されたオンラインラーニングフォーラム2022にて）

〇京都教育大学公式YouTube「kyokyochannel」はこちら

※IMS Japan賞とは、一般社団法人日本IMS協会が2016年に創設したもので、技術標準の相互運用性を効果的に利用して教育デジタル・エコシステムを実現するなど、教育・学習のデジタルトランスフォーメーション（DX）を実現したもの、あるいはIMS技術標準の国内普及に貢献のあった作品や実践などに対して表彰するとされています。（第7回IMS Japan賞募集要項参照）