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学校教員の「経験からの学び」を支援するメンターシップ育成講座を開催しました
2021年5月から12月にかけて2021年度メンターシップ育成講座を計6回開催しました。この講座では、真に学び続けるために教師として、時にメンター(先輩又はよき支援者)で、時にメンティー(後輩又は支援を受ける者)であることが必要で、メンターは、省察による経験からの学びをサポートし、理論と実践の往還を促す経験豊かな存在であるとしています。また、メンターの姿勢やマインドを意味するメンターシップを学校内の教員全員で築くことで、教師の省察力、同僚性及び協働性を高めることを狙いとしています。
2021年度の講座は、経験から学ぶための「省察力講座」共感的サポートによる「コーチング力講座」集団へのコーチングとしての「ファシリテーション講座」の3つで構成されたプログラムで、春季と秋季に開催しました。例えば、本学村上忠幸教授(理学科)が講師を務める「省察力講座」では、『教師教育学』著者のコルトハーヘン氏の理論をベースとして、自らの立場や状況を的確に把握するメタ認知力や、実践との相関から課題解決に向かう力の育成を重視したものとなっています。
受講者の反応は、「省察の大切さを実感した。」「今自分が行っているのは何か、相手にとって価値があるか、を考える視点が自分の中でできた。」「単なるスキルの話ではなく、考え方そのものを学ぶことができ、今までの対応を見直すきっかけとなった。」など好評でした。
本プロジェクト代表の村上忠幸教授は、「教師は学校で育つ、教師は授業で勝負する、といわれるとおり、教師の重要な学びは校内での経験学習と自己研鑽である。しかし実際のところ、自らの活動を振り返って気づきを得たり、それを言語化したり、さらに経験論ではなく経験を抽象化し理論(持論)として他者に伝達・指導することは、簡単ではない。令和の日本型学校教育の答申でも、こういった力を重視している。教師のみなさんには理論を軽視せずに、実践との往還を学んでほしい。」と語っています。
なお、本講座は、京都教育大学の機能強化の取組として2016年度から2021年度にかけて33回実施し、参加者は延べ1,000名を超えました。また、コロナ禍のため2020年度からはオンライン形式で実施しています。
▲「省察力講座(オンライン形式)」の様子
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