子どもの学ぶ意欲や知的好奇心を育て、「確かな学力」を要請することは、学校教育の基本的な役割です。現在は、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定義すること、知識・技能を実際に活用する力を養成すること、さらに実際の課題を探求する活動を行うことで、自ら学び自ら考える力を高めることが求められています。

近年、学習意欲の向上や学習習慣の確立が課題とされる中で、ますます個に応じたきめ細やかな指導が必要とされています。そのためにはPlan-Do-See-Actionといったサイクルを通して、常に授業の改善を図る「学び続け成長し続ける教員」が求められます。

本コースでは、魅力あるカリキュラム編成が可能な、マネジメント能力を育成するとともに、教授理論や授業分析、教育評価、現代的教育課題及び教育方法学の理論的背景への認識を深める科目を用意し、理論と実践を併せ持った高度な授業力を育成することをねらいとしています。

本コースを修了することにより、学部卒院生は学部時代に身につけた基礎的な力量に加えてさらなる実践的指導力・展開力を備え、新しい学校づくりの有力な一員となり得る新人教員としての力量を、現職教員院生は高度な授業力を身につけることにより、地域や学校において指導的な教員としての力量を身につけることができます。

本コースは、京都教育大学、京都女子大学、同志社大学の多彩な研究者教員及び教育実践に精通した実務家教員が担当します。

授業コミュニケーション論
授業研究の理論と実践
現代的教育課題の教材化と授業実践
授業力高度化演習
授業力高度化実践研究Ⅰ
授業力高度化実践研究Ⅱ

  • 浅井 和行

    あさい かずゆき

    京都教育大学・教授
    副学長兼大学院連合教職実践研究科長

    メディア教育や生活科・総合的学習などの学際的な領域における教育の現代的課題について研究している。最近は、メディア・リテラシー教育のためのカリキュラム開発研究や、インターネットや携帯情報端末に関するモラル教育の研究に取り組んでいる。初等・中等教育段階における教育実践に焦点を当て、授業コミュニケーション等理論的研究だけでは分からない実践知をどう理論化するかについての共同研究を現職教員や幼・保、小、中、高等学校などと進めている。
    主な著書に「メディア教育と生活科・総合的学習」(日本文教出版)、「インターネットと総合学習」(編著、黎明書房)などがある。京都教育大学・教授
    副学長兼大学院連合教職実践研究科長

  • 井上 雅彦

    いのうえ まさひこ

    立命館大学・教授

    言語活動を充実した授業やカリキュラムのあり方、言語による「伝え合い」を重視した国語科カリキュラム、国語科教員養成カリキュラムについて研究している。また、教員養成カリキュラム評価や国語科カリキュラム評価にライフヒストリー・アプローチを用いて、「経験されたカリキュラム」の内実を明らかにし、そこから「計画されたカリキュラム」の妥当性を探ろうとしている。
    主な著書に『伝え合いを重視した高等学校国語科カリキュラムの実践的研究』(渓水社)、『ディベートを用いて文学を〈読む〉-伝え合いとしてのディベート学習活動-』(明治図書)などがある。

  • 内海成治

    うつみ せいじ

    京都女子大学・教授

     これまで、国際協力機構(JICA)、大阪大学、お茶の水女子大学において開発途上国における国際教育協力の調査研究と実施を行ってきた。長期(1年以上)にわたって滞在した国はマレーシア、トルコ、アフガニスタンであるが、近年は東アフリカ(ケニア、ウガンダ、南スーダン)や東ティモールの教育政策や学校調査を行っている。紛争後の国や伝統的社会および難民キャンプ等の困難な地域における子どもの生活と教育にに強い関心を持ち、国際協力において子どもにもっとフォーカスがあたることを希望している。専門は教育原理、教育工学であるが、本学では教育課程論と教育評価論を担当。また、途上国の教育についても議論する予定である。
     主な著書に『国際教育協力論』(世界思想社、2000)、『国際緊急人道支援』(編著:ナカニシヤ出版、2008)、『新版国際協力論を学ぶ人のために』(編著:世界思想社、2016)、『学びの発見ー国際教育協力論考』(ナカニシヤ出版、2017)などが
    ある。

  • 佐々木 真理

    ささき なおまさ

    京都教育大学・准教授

    教育工学・情報教育分野を主たる対象領域にしている。教授・学習過程における教育方法・授業技術の改善において、教育工学的アプローチを適用した研究方法を用いて実践的な研究を進めている。内容は、マルチメディアやインターネット、ビデオ会議システムなどの情報メディアと、従来の黒板・印刷教材、OHP・ビデオなど視聴覚メディアとの、有機的な統合を図った教育方法の改善や授業分析、教材の開発ならびに評価の手法について取り組んでいる。また、教授・学習コミュニケーションの改善のための表現技法、プレゼンテーション技法、情報教育の在り方についても研究・指導している。

  • 田中 曜次

    たなか ようじ

    同志社大学・准教授

    同志社大学より派遣。京都府の公立中学校、京都教育大学附属桃山中学校に約20年間勤務。この間、「社会科教育」「帰国・外国人生徒教育」「国際理解教育」などの分野で「ディベート」や「ロールプレイ」を取り入れた実践研究を行った。その後、京都学園大学で教職課程を担当した。
    現在は社会科を中心に、「授業づくり」や「教材開発」などに取り組んでいる。近年、「評価」や「アクティブラーニング」など様々な課題が学校現場を悩ましている。このような課題を1つでも多く解決できるような授業やカリキュラムを提案できるようにしたいと考えている。フィールドワークを重ね、多くの授業を分析して、その「良さ」がどこにあるのかを多くの人にわかりやすく伝えることを目標としている。

  • 徳永 俊太

    とくなが しゅんた

    京都教育大学・准教授
    授業力高度化コース主任

    専門領域は教育方法学である。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)で習得したイタリア語をいかし、イタリアの歴史教育について、授業論、カリキュラム論の観点から研究をしてきた。大学院生時代は京都市の小学校と大学院研究室との共同研究に参加し、算数、社会科、特別支援などの教科研究にも携わった。現在は生涯学習先進国であるイタリアの事例を参考にしながら、生涯学習社会における学校教育の役割について考察する研究に着手したところである。
    主な著書に『イタリアの歴史教育理論 -歴史教育と歴史学を結ぶ「探究」-』(法律文化社、2014)がある。

  • 橋本 京子

    はしもと きょうこ

    京都教育大学・教授

    京都府小・中学校教員として36年間、学校教育に携わった。この間、京都府総合教育センター研究主事兼指導主事として7年間、教頭、校長として10年間勤務した。中学校では国語科教員として国語力や自己指導力の育成、小学校では管理職として「ことばの教育」を基盤とした豊かな人間性の育成を軸とした学校経営に努めた。国語科に関わる研究事業や教育課程の研究開発に取り組み、地域と連携し学校力の向上を図る中で、未来を築く教育の役割の大きさ、深さを実感してきた。
    21世紀を、自立し共生できる人間として力強く生き抜く資質・能力をはぐくむために、これからの教員に求められる教師力-豊かな人間性や高い専門性等を兼ね備えた実践的指導力-の研究・指導を担当する。

  • 畑中 佳美

    はたなか よしみ

    京都教育大学・准教授
    京都府教育委員会

    京都府教育委員会より派遣。京都府の公立小学校教員として27年間勤務。その間に、京都府山城教育局特別支援教育担当指導主事として地域の特別支援教育の推進のために学校への支援・指導を行った。また京都府総合教育センター特別支援教育部主任研究主事兼指導主事として、初任者や一般教職員に向けた研修の企画・運営を行う一方、「ユニバーサルデザイン授業~どの子にもわかりやすい授業づくり~」の共同研究を行った。 これらの経験を生かし大学院連合教職実践研究科では、豊かな人間性、高度な専門性、実践的な指導力を有し、「学び続ける教員」を育成するための研究・指導にあたる。

  • 林 明宏

    はやし あきひろ

    京都教育大学・教授

    京都市立小学校教員として37年間,その内校長として11年間,常に現場主義で教育の果たす役割と,その使命を求め教育実践を重ね,“No child left behind.”(一人一人を徹底的に大切にする)の理念の下,教職員,関係機関と連携して教育課題解決のために力を尽くしてきた。
     社会の急激な変化の中,次世代を担う教員に,授業力は勿論のこと,創造性豊かな人間力の育成が急務である。学びに向かう姿勢に意味と価値を見出してこそ,「教師魂」が根付いていくと考える。
     理論と実践を融合させた指導を展開していくことで,志の高い矜持と覚悟を持った人間的魅力溢れる人材を育成していきたい。

  • 日比 淳子

    ひび じゅんこ

    京都教育大学・准教授
    京都市教育委員会

    京都市教育委員会より派遣。京都市立小学校教諭として,17年間学校教育に携わる。学級担任として,一人一人の個に応じた学級経営,授業力向上の充実に努めるとともに,教務主任として管理職を補佐し,学校運営に携わった。また,京都市総合教育センターの委嘱を受け,音楽科研修推進員,音楽科研修指導員として,音楽科の研究の充実,後進の育成を推進する役割を担う。その後,同センターに勤務。研究課研究員として,小学校音楽科における主体的・創造的に取り組む子どもの育成を目指して,鑑賞と音楽づくりを関連付けた学習について研究し,論文にまとめた。現在は京都市総合教育センター教員養成支援室指導主事として,主に教師を目指す学生・社会人の指導を担当している。

院生(2年次生) 徳田 絵美

子どもが「英語をもっと知りたい、話したい」と思う授業を創りたいと思い入学しました。
授業力高度化コースでは、授業力向上のための理論、それに基づいた模擬授業や指導案検討、授業分析などの実践的な講義が開講されています。ただ理論を学ぶのではなく、それらが要請されてきた背景を共に学ぶことで、これからの社会で求められる力やそれを子どもに身につけるためにはどのような授業を創っていけばよいのかを考える力が身についてきていると実感しています。
 講義では院生同士で議論する場が設けられています。その中で異なる教科や校種の院生と意見を交わすことで、新たな気づきや視点を得ることができ、さらに充実した学びを得ることができています。

第六期修了生 中嶋 和彦
(京都市公立中学校勤務)

「なぜ学ぶのか」
 この問いが、大学院生活を通して得られた最も大きなものでした。
 大学院に入るまでは、学校に来ること、授業を受けることなどいろんなことを当たり前のものとして考え、勉強してきました。しかし、大学院での講義や専門実習を通すことで、改めて、その問いの重要さに気付かされました。
 現場に入った今でも、その問いの解を導きだすため、教科教育、学級経営など日々の学校教育に携わっています。

第五期修了生 香月 美南
(京都府公立小学校勤務)

「なぜだろう?」と考える楽しさや「わかった!」という喜びを子どもたちに伝えられる授業ができるようになりたいと思い、授業力高度化コースへ進学しました。

教育実習で、同じ指導案をもとに授業を行っても発問の仕方一つ違えば児童の反応が変わることを経験し、「良い発問とは何か」をテーマに大学院で学びを深めました。専門実習では、教育実習で感じた自己の課題を意識して子どもと関わったり、研究テーマに合わせた授業を行ったりすることができました。授業をした後には、実習生同士や指導教諭と共に省察を行い、授業分析の力をつけたり、自己の課題を改善したりすることができました。フィールドワークでは、様々な学校へ行き、授業を見ることができました。授業の工夫や子どもの発言に対する返し方など、講義では学べないことを多く学ぶことができました。

教職大学院で学んだことを学校現場で活かし、これからも学び続ける教員でありたいと思います。

第四期修了生 内田 千晶
(京都府公立小学校勤務)

私は現在京都府公立小学校で担任として勤務しています。毎日忙しく、仕事に追われる日々ですが、大学院で学んだことが大きな財産となっています。

講義で学んだ理論と専門実習での実践経験は、現場で物事を客観的に考えられる視点となっています。

また、教職員間のチームワークが欠かせない職場であるなかで、演習で多く取り入れられていたグループワークで身につけた協働性が活きています。

日々勉強の毎日ですが、子どもたちを大切に、学び続ける教師であり続けたいと思っています。

第三期修了生 北野 達也
(京都府公立小学校勤務)

勤務開始から早いことにもう1年が経ちました。

毎日がとても忙しく、日々の授業に追われる生活ではありますが、その中でも 指導と評価の一体化や、どうすれば子どもたちに分かりやすく伝えられるのか、 この時間のねらうところは何なのかなど、全ての下地には大学院での学びがあった ように感じています。

また、合計50日の実習の中でも、2年次の時の実習Ⅱは4月のクラス開きから 学ばせていただいたので、クラス作りというものをすぐ隣で学ぶことができ、さらに 年度初めの準備もどういうものなのかを学ばせていただいたことで初任の時にも慌てすぎずに対応できました。

何より、学生(院生)という立場で2年間学ばせていただいたことは、教師を目指す 仲間達との交流の中で自己を成長させ、熟成させる良い時間であったと思っています。

人間味あふれる「人間教師」であり子ども達に「つつみこまれている感覚」を 持たせられる教師を目指して頑張っていきたいと思います。

第二期修了生 西村 豊
(山口県私立中学・高等学校勤務)

本教職大学院での生活は、「良い授業とはどのようなものか」「なぜ、その授業が良いと言われるのか」「どうすれば良い授業ができるのか」ということについて必死に考え、友人たちと議論する日々でした。その回答はまだはっきりわかりません。しかし、このような日々の中で、多くの本を読んだり、物事をゆっくり丁寧に考えたりする習慣を身につけることが出来たのは、本教職大学院で学んだ財産であると感じています。

私にとって教職大学院での生活は実り多い2年間になりました。

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