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 【他教科の取り組み::情報】 第8回日本情報オリンピック予選 (2008.12.14)

12/14(日)日本情報オリンピックの予選がWeb上で実施され,本校から5名の生徒が参加いたしました。

予選では6つの問題が出題され,各問題の意図に沿ったプログラミングを作成し,ソース及び出力結果を提出(ファイルをアップロード)するというものです。
解答時間は3時間なので1問あたり30分で解答をしなければ全問解答することができません。

参加生徒は3時間ずっとプログラミングに集中していましたので,
終了後は大変疲れた様子でした。

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ファイル 177-3.jpg ファイル 177-4.jpg

日時: 2008年12月14日 10:00~16:00
場所: 京都教育大学附属高等学校 コンピュータ教室 
内容:
    10:00~10:30 予選のルール説明
    10:30~11:30 模擬問題解答
    11:30~12:30 昼食休憩
    12:30~13:00 予選解答準備(ログイン等)
    13:00~16:00 日本情報オリンピック予選問題解答

 【他教科の取り組み::英語】 英語でプレゼンテーション (2008.06.30)

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5月26日から5回シリーズで行ってきた「英語でプレゼンテーション」の最終回「公開発表会」を行いました。当日は中国より高校生が本校を訪問する日に当たっており、中国人高校生も数人発表会を聞きに来てくれました。9人の生徒の発表内容は添付の記録用紙をご覧ください。発表者はそれぞれ工夫を凝らして発表してくれました。発表後の質疑応答では中国の高校生からすばらしい英語で鋭い質問が出ました。最後に、情報の先生からのコメントと、理科の先生お二人から講評をいただきました。

 【他教科の取り組み::英語】 英語でプレゼンテーション (2008.05.26)

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「英語でプレゼンテーション」が本日より始まりました。
参加者は1,2年の10名です。第1回の今日は「プレゼンテーションとは?」と言うテーマで学習した後、ほぼ即興に近い形で「人物紹介」のプレゼンテーションを英語でトライしてもらいました。これからが楽しみです。

 【他教科の取り組み::情報】 第2年次のまとめ(情報) (2007.03.31)

1.教科指導方針について

①理科・数学との連携によるデータ処理・分析能力の育成について
 1) 数学B単元「数値計算とコンピュータ」の取り入れ
  第3学年の情報Bでは,簡単なアルゴリズムの理解を目標とし,文字列の入出力,和の計算,整列(交換法),順位付け,探索(順次,二分)などのアルゴリズムの学習とフローチャートの作成,Visual Basicを使用したプログラミング演習を行った。
  本単元では昨年度と同様情報Bの教科書の中にある題材だけでなく,約数を求める,素因数分解の計算,最大公約数を求める,素数判定,方程式の近似解計算(ニュートン法,二分法)などの数学B「数値計算とコンピュータ」の学習内容を盛り込んだ。

 授業実施計画 (※表内の太字は数学B分野)

第1回 1.Visual Basic基本画面の説明
2.デジタル時計の作成
・各コントロールの説明(ラベル,コマンドボタン,タイマー)
・簡単なプログラムの作成(時刻を表示,フォームを閉じる)
・代入文について
第2回 1.変数と変数宣言について
2.テキストボックスの説明
3.演算代入式について(演算子)
4.アルゴリズムの学習及びプログラミング演習
・円の面積計算(1)(フォーム使用)
・台形の面積計算
5.フローチャート記号の説明
第3回 1.文字列について
2.入力ボックスについて(Inputbox)
3.メッセージボックスについて(Msgbox)
4.アルゴリズム学習及びプログラミング演習
・入力ボックスに入力した文字列を表示する
・円の面積計算(2)(入力ボックス・メッセージボックス使用)
・応用問題演習
第4回 1.アルゴリズムの基本構造の説明
・順次構造
・分岐構造
・反復構造
2.選択構造について(If~Then~Else)
3.反復構造について(1)(Do~Loop )
4.アルゴリズム学習及びプログラミング演習
・nの奇数・偶数判定
・引き算のみで余りを求める
第5回 3.反復構造と分岐構造を組み合わせたアルゴリズム学習
・nの約数を求める(1)(Do~Loop使用)
・nの素因数分解
第6回 1.反復構造について(2)(For~Next)
2.アルゴリズム学習及びプログラミング演習
・1から100までの和を計算する
・nの約数を求める(2)(For~Next使用)
・m,nの最大公約数を求める(ユークリッド互除法)
第7回 迷路探索のアルゴリズム
・右手法のアルゴリズム解説(選択のネスト構造)
・フローチャートの作成
・プログラミング演習
第8回 テスト
第9回 1.テスト返却・解説
2.アルゴリズム学習及びプログラミング演習
・十進数nを二進数に変換する
・nの素数判定
第10回 交換法による整列アルゴリズム学習(1)
・アルゴリズム解説
第11回 交換法による整列アルゴリズム学習(2)
・配列についての解説
・二重ループの解説
・フローチャート作成
第13回 交換法による整列アルゴリズム学習(3)
・プログラミング演習(Visual Basic)
第14回 交換法による整列アルゴリズム学習(4)
・プログラミング演習(Excel)
第15回 順位付けのアルゴリズム学習(1)
・アルゴリズム解説
・フローチャート作成
第16回 順位付けのアルゴリズム学習(2)
・フローチャート作成(続き)
・プログラミング演習(Excel)
第17回 教室の座席替えを行うプログラムの作成
・乱数の解説(Rand)
・プログラミング演習(Excel)
第18回 N88-BASICについて(1)
・Visual Basicとの比較(命令・演算子・アルゴリズムの違い)
・プログラミング演習(nの素因数分解)
第19回 N88-BASICについて(2)
・プログラミング演習(nの素因数分解,m・nの最大公約数)
第20回 平方根計算のアルゴリズム
・SQR関数を用いた平方根計算
・加法と除法だけで平方根計算するアルゴリズムの解説(ニュートン法)
・プログラミング演習(N88-BASIC)
第21回 方程式の近似解を求める(1)
・順次探索で方程式の近似解を求めるアルゴリズムの解説
・プログラミング演習(N88-BASIC)
第22回 方程式の近似解を求める(2)
・二分法で方程式の近似解を求めるアルゴリズムの解説
・プログラミング演習(N88-BASIC)
第23回 1.主要プログラミング言語について
2.C言語によるプログラミング
・BASICとの違い
・プログラミング演習(nの素因数分解)
第24回 テスト
第25回 テスト返却・解説

使用教材について
  プログラミング演習で使用した教材については,数値の結果だけでなく,視覚的にどのような処理や課程を経て結果が得られるかが分かるよう配慮した。

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教師の感想
  実際の授業は文系コースの履修者と共同で行われる為,学習内容の説明を丁寧に行ったため,授業進行をやや遅めにする必要があった。また,第3学年の情報Bは1単位と授業時間が非常に少ないために学習内容を精選する事に苦慮した。大学入学後にも対応できる力の育成するためには本来ならば数倍の時間をかけて指導を行わなければならないのではないだろうか。
  迷路探索や教室の座席替えなど視覚的に結果が得られる小単元については,非常に興味関心を示したものの,残念ながら数学Bの内容に興味関心を示した者が少なかったのは非常に残念である。これは,理系コース履修者すべてが情報処理技術者を目指しているわけではないという事と関係しているのかも知れない。
  しかしながら,理系コース履修者の半数以上は,コンピュータにおける情報処理について卒業後も学習を深めたいと感じているという事がアンケートの結果で分かったので,授業を通じて学習する意義は十分にあったと考えている。

 次年度の課題
  本学習内容を大学入試センター試験の対策講座としてではなく,「情報を学ぶことが,自分の人生を豊かにする」と感じられるような内容にすることを目標にし,これからも授業実践していきたい。
  しかしながら,カリキュラム改訂により情報Bの履修単位数が2単位から1単位となり,第3学年の情報Bは開講されない為,事実上次年度以降の授業実践は不可能である。
  従って,次年度以降は第2,第3学年希望者を対象に放課後などの授業時間外に「情報処理講座」を開講し,実践を継続していきたい。

 2) 情報理工学分野の取り入れ~パソコンでラジコンカーを制御する~
  第1学年の情報Bの単元「コンピュータでの情報の処理」では,プログラムのアルゴリズムを考える事によって数値計算やデータ操作だけではなく,機械の制御も可能であることを学習できるよう,情報理工学分野の「迷路探索アルゴリズム」を授業に中に取り入れた。
  情報工学分野の学習を発展させるため,カノープス社の「USBit」を用いて,ラジコンカーをパソコンで制御する活動を平成19年2月に実施する予定である。

 USBitについて
カノープス社の「USBit」はTOMMY社の小型ラジコンカー「BITCHAR-G」をパソコンでコントロールする装置である。パソコン上で制御プログラムを作ることにより,ラジコンカーを制御することが可能である。USBitはUSBケーブルでパソコン本体と外部接続する。なお,USBitは組み立てキットとなっているので,基盤の組み立て(ハンダ付け)を行う必要がある。

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次年度以降の展開について
  今回の活動はラジコンを制御するのみで,自立型ロボットの作成には至らない。次年度はロボットマウスを購入して組み立てを行い,制御プログラムを作成し,パソコンで迷路探索またはサッカーゲームを行うなど発展をさせたいと思う。また本学との連携した活動実践や,各種コンテストへの参加も検討したい。

2.各課題の年次ごとの進展目標について(第2年次)

ア.FLASHによるマルチメディア制作
  今年度もFLASHを利用したディジタルアニメーションムービーの制作を行うため参加の募集を行い,第1学年9名,第2学年3名(計12名)が本活動に参加した。現在は4月下旬の平成19年度新1年生対象のSSCオリエンテーションでの作品発表を目標にしてアニメーションの制作を行っている。
  タイとの授業交流については相手校及び本学院生の都合により,本年度の実施は見送られたが,平成19年度内に実施する予定である。

 活動の目的
 a.アニメーションの制作過程を理解する
   アニメーションを制作過程において,頭の中にある創造物を現実のものとして具現化する必要がある。そのために必要なストーリーボードと絵コンテの作成を通して,ストーリーや登場人物を具体化する必要がある。アニメーションの制作過程においてどのような作業が必要となるのかを学ぶ。

 b.表現力を育成する
   人が歩く,動物が走るアニメーションの例示や,物体加速,物体が砕けるなどといった物理現象の具現化を学習し,ディジタルアニメーションの制作過程のなかで,頭の中にある創造物をどのような技術や方法で表現すればよいのかを生徒自らが考え,表現する事の楽しさを知り,各自の持つ表現力を広げることができるよう目指したい。

 c.タイとの遠隔共同授業による国際理解
   本学京都教育大学実践センター(佐々木真理教授,本学院生)との連携による日本・タイ間で遠隔授業による授業交流を行い,IT技術だけでなく,多文化交流・国際理解の教育実践もしていきたい。

 活動期間
 平成18年11月2日 ~ 平成19年度遠隔共同授業(日時未定)

活動内容



日時 活動内容
 10/16(月)

11/1(水)
参加者の募集
11/2(木)
15:50

18:00
Flash講座#1
(1)活動内容の説明
(2)ウクレレを弾くアニメーションの作成演習
・モーショントゥイーンの学習
・自由変形及び回転の学習
・モーションガイドについての学習
11/16(木)
15:50

18:00
Flash講座#2
(1)具体的なアニメーションの作成演習
・歩く(全身)
・歩く(上半身)
・振り向く
・話す
(2)音声の挿入
(3)イメージボード・絵コンテについて
12/19(火)




2/8(金)
ストーリー及び登場キャラクタの考案

12/19(火)ミーティング#1
(議題)
・チーム分け
・ストーリー及び登場キャラクタの考案について
・ウェブボード(掲示板)の使用法について

1/19(金)ミーティング#2
(議題)
・ストーリーと登場キャラクターの決定期日について
・ノートPC及びペンタブレット貸出について
2/9(金)

3/2(金)
具体的なストーリーの考案
・イメージボードと絵コンテの作成
3/14(水)

4月中旬
Flashムービーの制作
4月下旬 SSCオリエンテーションに於いて作品発表
5月上旬
タイ-日本間 遠隔共同授業準備・実施
・英語版への吹き替え作業
・英文による作品紹介文の作成
・ウェブボードによる意見交換(英文)

3.教科指導からの発展としての自主的創造活動の開発について
①京都教育大学院生・学生による探求的活動への支援開発
 1)「中等情報教育Ⅰ」における実地指導講師としての活動
  本学京都教育大学の実地指導講師として,「中等情報教育Ⅰ」を受講する2・3回生を対象に本校情報科における実践内容について講義をする機会をいただいた。

日時 内  容
5/21(火)
10:30

12:00
情報Bの授業実践について
・情報Bについて(授業の目的について)
・第1学年における取り組み
・第3学年における取り組み
・授業評価について
7/11(火)
10:30

12:00
SSC活動の取り組みについて
・Flash制作の活動(作品紹介)
・タイ-日本間遠隔共同授業の実践(ビデオ視聴)

2)本学学生への授業公開
  平成18年9月の教育実習後に,情報科の本学教育実習生に,授業参観の呼びかけを行い,3名が授業参観に参加した。また,平成18年12月6日(水),「計測と制御」の授業において本学学生1名が特別講師として自立型ロボットの制御についての授業を行った。

 次年度の課題
  本学学生が授業に関わる機会は増えてはいるものの,まだ高大連携のシステム化には至っていない。次年度もより一層の連携強化を図る必要がある。

 【他教科の取り組み::保健・体育】 第2年次のまとめ(保健・体育) (2007.03.31)

1.教科指導の方針について
①保健
 SSHとの関係については,健康について科学的に考えるとはどういうことかをテーマとしている。授業の中では,意図的に指導し,生徒が発表するときには必ず科学的背景について述べるように指導している。理科をはじめとする他教科との連携が必ずしも機能しているとはいえないのが課題である。
 論理的に考察することが本校のSSHの目標の一つである。2年,3年ともに発表する機会が多い授業であり,論理的に述べる機会として関われたと考えている。
  
②体育
 以下のような取り組みをして,SSHとの関係を模索してきた。
 1) スポーツという人間の活動に科学的知見を応用するとともに,科学的手法によってパフォーマンスを向上させる例を学習し,科学的な興味関心を高めたり,広めることができれば,科学的な活動を広めるということで寄与できるのではないかと考えた。
   科学的に体育と関係するスポーツ科学分野の中からバイオメカニクスに着目して,スポーツと科学との関係を学習させる企画をSSC(詳細は別途記載)という形で実施した。陸上競技を題材とし,大学体育学科榎本靖士先生との連携により,バイオメカニクス研究室及び授業スポーツ指導論受講者,陸上競技部の協力を得て,榎本先生による講義と大学生とを交えた測定などのフィールドワークの2回にわたり実施した。
   これを短距離走の授業として展開してみた。走速度とピッチ,ストライドの関係を学習するため,バイオメカニクス的な手法(光電管,ビデオ撮影など)で計測し,考察し,試技する流れで展開した。一般にいう「速く走る」ことの背景について理解が進んだが,ピッチ,ストライドのコントロールを動作の改善により行う場合の提案,考察が十分に出来たとはいえない今後の課題である。
 2) 今年度は,「科学的に観る・考える・調べる・発表する」をテーマにして,1年2講座を対象とし授業を試みた。以下,本年度実施した内容である。
   1学期の授業(スポーツテスト,柔道)で,科学的な要素を取り入れた話をおこない,1学期最後の授業で以下の内容を行う。
  1.1学期の授業で話した内容の整理
  2.柔道の中で科学的な要素の説明
  3.『スポーツを科学的に観てみよう』という内容で,「2006FIFAワールドカップ・ドイツ大会」を下の3つの項目で編集し,ビデオを見せた後に簡単な説明や実技をおこなう。弾丸シュート(無回転)・・・ 資料を配付して説明,浮いているボールを止める・・・ 卓球のラケット・ピン球を使って説明,曲がるボール・・・ 簡単な説明をおこなう。
  4.『スポーツを科学的に証明してみよう』として,自分の好きなスポーツや関心のあるスポーツ分野で,科学的な要素がないか探してみさせ,テーマの設定,レポート作成の準備をおこない,2学期始めの授業でレポートを提出させた。
    発表については,生徒達に希望を聞いた後,発表者を決定し,発表・説明の具体的な内容と練習計画を打ち合わせ実施した。1年1,2講座(男子38名)は,「マラソンランナーの走り方」,「インサイドキックを蹴り分ける(サッカー)」,1年3講座(男子20名)は,「キックの種類とメカニズム(サッカー)」,「ゴールキーパーの動き(サッカー)」の4つ(1講座2つ)を発表させ,簡単な練習の中で意識付けをおこなった。生徒による「まとめ」は,学年末最後の授業で,アンケート形式で取り入れる予定をしている。発表等の内容を見ている限り,上手に生徒が生徒を引っ張り進めることが出来たと感じている。
 3) 身体ほぐしを題材として,身体ほぐしの実践や科学的理解の中から,自分の身体でうまく使えていないところやそれを使う工夫をすることで,パフォーマンスの向上や怪我の減少につなげようと試みた。
   SSC(別途記載)の取り組みで,さまざまな競技の特性に応じた柔軟性チェックや改善プログラムを行った,男女合わせて約40名の生徒が参加し実践した。この取り組みでは2時間におよぶ講義や活動が行われたので,それを,部活動や授業の場で行えるよう生徒たちが相談して50分程度で活動できるものにまとめあげ,参加者中心に5回(毎月1回)実施した。また,それを単に興味関心のあるものが行うだけでなく,授業の場に広げ2年生の女子の講座で実践した。
   現在の進行状況は上にあげたところであるが,生徒とミーティングを行っている中では,もっと身体の仕組みや動きの不思議な点を科学的に解明し広げていってはどうかなど今後の課題が出ており,次年度につなげて生きたい。

 【他教科の取り組み::家庭】 第2年次のまとめ(家庭) (2007.03.31)

1.身近な生活の中の自然科学
 家庭生活の行為は,社会や環境との関連が深く,そこに生じる課題は様々である。一つ一つ課題解決に対するノウハウを全て教えることは困難であるが,生活行為を科学的に理解することで対応能力を養うことは可能である。
 例年,それぞれの分野において科学を意識して授業を行っている。例えば,保育分野において,胎児が成長する過程(遺伝子命令)と薬物やウイルスの影響,胎児の羊水利用による機能訓練などの母体外に出る準備,陣痛を起こすメカニズムなど生命科学と関連させることで,より生命の神秘・偉大さを感じ,父性母性育成教育に効果をもたらす。食物分野では,栄養学において,個々の栄養素の働きだけでなく,総合的な体内での変化や役割を知ることで栄養バランスの大切さがわかる。また,食中毒菌の特徴や遺伝子組み換え食品を知ることやで食生活への安全意識が高められるだけでなく,不必要な不安感に左右されない食生活を営む力を育成することができた。住生活分野では,住空間の衛生(食寝分離)・適正就寝・人体寸法・プライバシー確保などを考慮した間取りのコンピュータ実習や,スクラップ&ビルドの住宅政策による環境・文化への課題などをとりあげ,これからの住生活を考えさせた。被服分野では,合成繊維の加工による新素材の利用,洗濯用洗剤の科学的特徴を踏まえた洗濯方法,洗剤を含む有機物の家庭排水による環境汚染対策の討論を組み入れるなど,科学を通して,更に合理的な家庭生活を創る力を養う。
【評価と課題】
 生徒の反応から,生活に対して広い視野をもって,総合的なものの見方ができるようになったという評価が常に得られるということは,一応の成果があったといえる。
課題としては,あくまでも,家庭生活を中心とする教科の姿勢は崩さず,科学的理論に基づいた知識も生活行為に生かせるようにする必要があり,その活用が,各自の実生活でいかにされているのかは把握しにくい。
また,まだまだ家庭科と科学を別のものと捉えがちであるため,もっと身近なことを取り上げ,科学と関連づけた授業の工夫が必要であると共に,科学が不得手な生徒が頭から拒絶しないように進める工夫も必要である。

2.職業観の育成
家庭生活を科学することで,様々な職業への興味付けができる。例えば,栄養学は,管理栄養士や食品加工・バイオ研究・医学(食保健)へ,被服では,繊維や洗剤の新素材開発,環境研究へ,住生活では,建築士への関心を高めることができた。
【評価と課題】
 毎年,栄養士や栄養教諭に関する質問があり,栄養学・家政学・農学を進路に考えるものも多い。上記にもあるように,生徒は,授業によって生活を,学問としても興味関心を寄せている。
 課題としては,より職業観を伸ばすために,今年度は実施しなかったが,専門性の高い他教科との連携を図った授業を実施すると良いと考える。

 【他教科の取り組み::英語】 第2年次のまとめ(英語) (2007.03.31)

1.教科指導方針について
①科学的な内容を論じた英語文献を読み,その諸事象を理解する。さらに仮説,検証,分析,結論という典型的な論説文形式に習熟し,英語表現での論理の展開を追いながら理解する能力の習得を目指す。

取り組みの状況
 全学年で,教科書や副読本の科学的な内容を扱った課を中心に,論理展開を追いながら論旨を素早く掴むトレーニングの時間をできるだけとるようにしている。本校で昨年度から始めた「和訳先渡し方式の授業」を今年度も改良しながら実践しているが,その結果,意味解釈に要する時間を減らすことが可能となり,トレーニング中心の授業展開が可能になった。たとえば,英語Ⅱでは各課の導入時に速読活動を多く入れるようにしている。
 本稿では,授業外にSSCの活動のひとつとして実施した“Read Science in English”について報告する。これは,ALTの協力のもと,科学的な内容の英文を速読する方法を学ぶ機会として計画したものである。この活動に参加したのは,1年4人,2年12人の合計16人である。Timed Readings Plus in Science (McGraw-Hill)を使用しながら5回シリーズで実施した。速読力の伸長をグラフに描かせて向上を実感させるようにした。実施内容は次のようになっている。
第1回:ビル先生と英語科高田によるミニレクチャー
1.英語を速読する際のポイント
2.科学の内容を英語で読む際のポイント
    速読トレーニング(1)
第2回:速読トレーニング(2)
科学に関する語彙の学習
第3回:速読トレーニング(3)
Podcast番組 “Scientific American 60 Second Science” を用いたListening活動
第4回:ALTとのTeam-Teaching
速読トレーニング(4)
Podcast番組 “Scientific American 60 Second Science” を用いたDictation活動
第5回 速読とレーニング(5)

ファイル 109-1.jpg速読トレーニングの方法:
 ①語彙の導入―毎回 “Vocabulary Input Sheet”を用意し,それを用いて語彙を導入した。その際,発音や派生語には特に注意を払って指導した。
 ②各自で速読―ストップウォッチで時間を示しながら,できるだけ速く読ませる。読むのにかかった時間を記録させる。
 ③内容理解のチェックの質問に答えさせる。
 ④各自で答え合わせをする。
 ⑤3種類の記録用紙(Reading Rate / Comprehension Score / Comprehension Skills Profile)に記録させる。
 ⑥教員のモデル音読と解説
 ⑦全員での音読

 なお,5回のシリーズでトレーニングできる量は限られているので,できない部分は“Vocabulary Input Sheet”を作成して配布した。参加生徒が2学年にまたがっているので,1年生に配慮して詳しいものを作成するようにした。

生徒のこの活動についての感想文から
 「読む量が非常に多いので,英語の経験が増やせてよかった。普段読む文章よりも科学的なので,興味を持ちやすく,未知の単語もたくさん触れられるのでよかった。」(2年男子)
 「勉強と言うよりも楽しんで取り組めたと思う。だいたい知っていること,ほとんど知らないことなど色々な内容があったが,知らない内容はやはり意味がとりにくかった。速読以外に取り組んだリスニングなどが面白かった。単語がむずかしくずっと単語のプリントを見っぱなしになったのは残念。」(1年女子)
 「科学的な内容という点で,英語だけでなく他のことでも勉強になった。テキストも興味深く面白い題材が多かった。だんだん読みやすくなった気がするので,少しは力がついてきているのかと思う。」(2年女子)
 「科学的な文章を読むのには,語彙や言い回しなどがむずかしく読みにくい。でも中身はなかなか興味深いことが書かれていて面白かった。これを機に英語をより好きになっていければいいなと思う。」(1年男子)

目標の達成と評価
 参加した生徒たちは,意欲的に活動に参加してくれた。(そのことは感想文に表れていると思われる。)目下,速読力がどれほど伸びたかをWPM(Words per Minute)として定量的に計測しているところであり,5回の活動がすべて終了した3月の時点で検証してみる予定である。今回の活動では,1年と2年が一緒に学ぶことになり,1年生にとってはむずかしいのではないかと心配していたが,結果的には,参加した4人の1年生は非常に熱心な態度で参加してくれ,学年差はほとんど問題にならなかったようだ。

②英語を道具として使い,自らの主張を論理的に文章表現あるいは口頭表現でアウトプットする能力の習得を目指す。そのためには,論理的な主張を展開できる能力を高めるための授業を行う。理科・数学の授業や国際共同実験プログラム,外国との共同授業にALTも関わり,表現力の正確な習得を目指す。

取り組みの状況
 上で述べたように,英語Ⅰ,Ⅱで実践している「和訳先渡し方式の授業」では,従来の授業より多くの時間を使って音読トレーニングや様々な活動に充てる時間を確保できるようになった。その一つが,授業内での英語によるQ&Aや読んだ内容について自分の言葉で表現する活動である。毎時間英語でQ&Aをペアでやらせるようになってから,友達同士で英語で話すことの抵抗が少なくなったようである。また,色々な形態の音読トレーニングを行うことで,人前で英語を発音することにも少しずつ慣れてきたようである。
 2年のライティングではALTとのTeam-Teachingを活用しながら,論理的に英語のパラグラフを書けるようにパラグラフの展開法を指導している。テーマを与えて自分の考えを書く練習の機会をできるだけ多く与えるようにしている。
 2006年の夏に行われた「日英サイエンスワークショップ」に参加することになった生徒たちへの指導をALTにお願いした。具体的には,選考段階での英語での2次面接の面接官や事前学習会での科学英語の指導などである。
 昨年秋に実施した「プレゼンセミナー~英語でサイエンス~」では,プレゼンテーションをしてくれた日英サイエンスワークショップ参加生徒への指導や,セミナー当日の通訳など,英語での表現力の正確な習得を目指す取り組みで英語科として協力した。

目標の達成と評価
 英語を道具として使い,自らの主張を論理的に文章表現あるいは口頭表現でアウトプットする能力の基礎作りはできたと思われる。今後この基礎力をさらに伸ばして,科学的な内容に関して自分の主張を文章・口頭の両面で論理的に展開できる能力をさらに伸ばすための指導を,教科全体で工夫して実践する必要がある。

 【他教科の取り組み::公民】 第2年次まとめ(公民) (2007.03.31)

1.教科の指導方針について
 公民科では,『現代社会』や『政治経済』など社会科学をその対象としており,現実に生起している問題や課題を科学的に考察させると同時に,自由や平等という哲学的な価値観に基づいて各自で捉え直すことを試みる。価値は当然,多様なものであるが,討論などによって相互に交流させることにより民主社会の倫理に近づくものであると考えている。

①現代社会
現代社会では,以下のような単元で生徒の科学的思考を深めることができた。

単元名 指導内容とねらい
科学技術の発達と生命 生と死の問題と現代医学についてや,脳死と臓器移植,遺伝子操作,出生前診断などの具体的課題を扱う。このような現代の課題について科学的見方とともに,生命倫理という観点も重視し人間の在り方生き方まで考察できることを目標とする。そのためにディベートや討論,発表形式の授業形態を工夫する。
民主社会の倫理 自由や平等,人間の尊厳について,自己決定権という新しい考え方もふまえて,よく生きるということを考察させる

具体的な実践は主に3学期であり,「現代社会に生きる私たちの課題」(その内容は,地球環境問題,生命倫理,資源・エネルギー問題,少子高齢社会など現代の論争課題となっているissueが取り上げられている。)について生徒自身の主体性を生かす「構成劇」の実施をすることによって,クローン人間や出生前診断,高齢者の介護,地球環境保全など生命倫理,環境倫理などの価値判断を劇というロールプレーを実践させることによって個々人に追究させていく。

②政治経済
 政治経済は受講者が25名程度ということもあって,ゼミ形式で授業を行っている。机をまるく配置しなおして全員の顔がみえる状態にしている。主には生徒が「問い」をたててそれを報告するスタイルである。「不思議だと思うことは,科学者がもつべき大切なセンス(感性)の1つだ。これは,脳科学や心理学でもまったく分かっていない奥の深い「感覚」である。不思議だと思う脳のメカニズムは,人間の創造性を解明する上で重要な鍵となるだろう。」(酒井邦嘉『科学者という仕事』)という指摘どおり,社会科学においても「~はなぜか」という問いをたてさせている。1学期の政治分野では「日本はなぜ世界で認められないのか」という大きな問いから「なぜ,日本の裁判がこんなに長期化するのか」とか「なぜ,個人情報保護法があるのに情報流出問題がこんなにおこるのか」という話題となった事柄など問いをたてて探究し,まとめ,発表する力を培っている。また,その探究をより身近なものとするために,いわば理系の実験代わりとして体験(見学)を重視している。今期は京都地方裁判所,日本銀行京都支店,寺内製作所を生徒と訪ねた。
 なお,2年生に置かれている政治経済は今年度より1単位増え,週3時間となったので特集テーマとして「資源・エネルギー問題」を扱い,生徒の夏休み中の調べ学習,原子力安全システム研究所から外部講師を招くなどして,生徒に将来のエネルギーについて意思決定できる素地を培えたと考えている。

 【他教科の取り組み::地理・歴史】 第2年次のまとめ(地歴-地理) (2007.03.31)

1.SSHの目標と取り組みとの関連
地理では「自然環境や科学技術の発達と人間生活との関わりに焦点をあてて,地域や事象の特色や変容を捉える授業を構成する」ことを取り組みの内容としている。地理Bにおける学習指導要領で,これらの内容と直接関連する項目は以下の箇所である。
・大項目(1)現代世界の系統地理的考察の中の中項目
  ア.自然環境
    世界の地形,気候,植生などから系統地理的にとらえる視点や方法を学習するのに適切な事例を幾つか取りあげ,世界の自然環境を大観させる。
・大項目(3)現代世界の諸課題の地理的考察の中の中項目
  オ.環境,エネルギー問題の地域性
    環境,エネルギー問題を世界的視野から地域性を踏まえて追求し,それらは地球的課題であるとともに各地域によって現れ方が異なっていることをとらえさせ,その解決には地域性を踏まえた国際協力が必要であることなどについて考察させる。

 直接的には,以上の項目があげられるが,取りあげ方によっては,以下の項目でも取り組むことができる。例えば「自然環境」に関連しては,大項目(2)現代世界の地誌的考察のすべての中項目(ア.市町村規模の地域,イ.国家規模の地域,ウ.州・大陸規模の地域),「科学技術の発達」に関連しても,大項目(1)現代世界の系統地理的考察の中の中項目,イ.資源,産業,ウ.都市・村落,生活文化,大項目(3)現代世界の諸課題の地理的考察の中の中項目,ウ.国家間の結びつきの現状と課題,カ.人口,食糧問題の地域性,キ.居住,都市問題の地域性などである。
 具体的には,下記のような単元と内容が考えられる。

単元 取り扱う内容や観点
 1.現代世界の系統地理的考察
  ●自然環境
   ア,地形からみた世界
   イ,気候からみた世界
   ウ,総合的な自然環境からみた世界
  ●資源と産業
    ア,農業からみた世界
   イ,エネルギー・原料資源からみた世界
   ウ,工業からみた世界
  ●都市・村落と生活文化
   ア,都市と村落からみた世界
   イ,衣食住からみた世界

地形,気候,植生などの分布や特徴だけでなく,それらと成因との関係についても取り上げたい。また,そうした自然の特徴と人間生活との関わりについて事例地域を取り上げつつ,考えたい。
製鉄製造技術と工業立地,資源開発と工業立地など資源や産業と技術の発達との関わりを取り上げる


モータリゼーションなど交通の発達と都市,村落の変貌を取り上げる
 2.現代世界の地誌的考察
  ●市町村規模の地域
   ア,フィールドワークの基礎
   イ,学校所在地を調べる
   ウ,我が町を調べる
  ●国家規模の地域
  ●州・大陸規模の地域

野外学習を通じて観察の仕方・見方を学ぶ。また,地形図の見方を学ぶ。地図の作成技術の発達を学ぶ
自然環境と人々の生活の関係

自然環境と人々の生活の関係
 3.現代世界の諸課題の地理的考察
  ●国家間の結びつきと課題
   ア,交通・通信によって結ばれる世界
   イ,貿易によって結ばれる世界
   ウ,国家間の協力関係
  ●人口・食料問題の地域性
   ア,世界の食料問題

交通機関の発達や情報技術の発達と地域や事象の特色の変容について学ぶ


食糧問題に関連して,農業技術の開発と地域社会の関わりについて考える

 以上の中から,学習指導要領の大項目(1)の中項目,ア.自然環境での取り組みについて,昨年度と同様であるので,同様の報告をする。大項目(2)の中項目 ア.市町村規模の地域について,「地形図の作成技術の変遷と地形図の読み方」を,イ.国家規模の地域について,「アマゾンの熱帯林とその破壊」を本年度あらたに追加して報告する。なお,他の項目(単元)については,進度の関係からSSHを意識した取り組みはまだ,出来ていない。

2.授業のねらいと工夫
①自然環境での取り組み
 学習指導要領では,この中項目は,「自然環境を対象内容」とする「適切な事例」取りあげ,「学習の構成,展開を工夫」して,「①世界の自然環境を大観するとともに」,「②系統地理的にとらえる視点や方法を身につけさせることをねらい」としている。
 ①については,世界的に見た地形や気候の成り立ちを生徒に知識として獲得させることにある。このためには,事象をわかりやすく(時には単純化も必要)類型化することで,理解を容易くし,さらに記憶として定着化させるための工夫された作業が求められる。後述,展開計画の「世界の大地形」「世界の気候分布」の単元参照
 ②については,系統地理的な,特に地形や気候などの自然の学び方を生徒に身につけさせることにある。このようなねらいの達成は,「本研究開発」の課題「(4)教科指導からの発展としての自主的創造的活動の開発」にもつながるものであり,授業のねらいとして重点をおいたものである。さて,方法論の学習には,体験しながら学んだり,あるいは追体験できるような作業学習をおこなうことが有効であると指摘されている。この指摘を否定するわけではないし,むしろ,体験学習や作業学習の教材案を構築していく必要を痛感しているが,一方でそれがいつでも可能ではないし,万能でもないだろうと思っている。積み上げられた文化的価値(すなわち,学問としての地理的な法則や特徴など)を追体験や作業学習で生徒達自身が復元していくには高度で難し過ぎるものが多い。もちろんそこが工夫だといわれることも否定しないし,今後ともそうした工夫に努力したい。
 それゆえ,ここでは講義形式の中で,とらえ方の視点や方法を身につけさせるために,どのような点に留意し,授業を展開したかを整理しておく。特に次の点に留意したい。文系教科である「地理歴史科」のなかにあっては,自然環境の学習は,ややもすると結果のみが優先されることが多い。例えば地形学習においては,地形名とその特徴,そして人間生活との関係といった学習,気候学習で言えば,気候区分の仕方や気候区の分布,そして植生や土壌,農業との関係といった学習で終わってしまう。地形で言えば,地形の成因や形成過程の視点が,気候で言えば,気候区分の考え方(仕方ではなく)や気候分布の理由の視点が抜け落ちているように思う。次の表の「ねらいに関する留意点」では,この点に関して具体的に例示した。もちろん,人間生活との関係など,他のねらいもあるが,ここでは割愛した。

②市町村規模の地域での取り組み
 この項目では,「地域の特色を多面的・多角的に調査して,日常の生活圏,行動圏の地域性を地誌的にとらえさせる」ことと「市町村規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる」ことにねらいがある。フィールドの基礎資料の一つとして地形図の読み方がある。ここでは,一般に作成技術や作成者側から取り上げることはしないが,技術の側面に踏み込んで取り上げた(地形図の作成技術の変遷)。また,「地形図の読み方」では,等高線で表現された地形の理解に重点を置き,既習の地形学習を地形図で確かめる(地形の読図)学習を取り上げた。

③国家規模の地域
 この項目では,「世界の幾つかの国家を事例に,その地域性を多面的・多角的に考察してそれぞれの国を地誌的にとらえさせる」ことと「国家規模の地域を地誌的にとらえる視点や方法を身に付けさせる」ことにねらいがある。国家の一つとして取り上げたブラジルの中で,「アマゾンの熱帯林とその破壊について」を特別に取り上げた。それは,アマゾンの熱帯林を生態系として気候,土壌,植生,地形,水文等の自然環境を総合的に捉える事例として,位置づけようとしたことと,環境の破壊(この場合熱帯林の破壊)を単に実態だけでなく,その背後にある経済社会との関係に目を向けさせたかったことにある。

3.授業の展開計画とねらいに関する留意点

①地形から見た世界

項目ねらいに関する留意点
(1)地形の形成
  営力 外的・内的営力 砂丘 火山




  地形の発達 地形の輪廻
  河食輪廻

地形の見方・・形成営力から考える。
 ・・地形の特徴や分布の原因など
 「海岸の砂と砂丘の砂はどこが違うだろう」
  →砂丘の営力は風,海浜は水の営力
 「日本海側に砂丘の多いのは?」
   →北東季節風
地形の見方・・地形の変化から考える。
 「地形が変化するっていつ誰がどうしていったの」
   →進化論
 「隆起は下刻→谷を作る。安定は側刻→谷を広げる」
(2)侵食平野と堆積平野
  準平原 構造平野 沖積平野

平野の違いのわけ・・安定地域と造山地域の平野の違い
その成因から探る。
 「ヨーロッパの平野は岩盤,河川は平野を削って流れる。なぜ?。」
 「日本の平野は軟弱地盤,河川と平野は同じ高さ。なぜ?。」
(3)平野の地形
  扇状地 高燥地 水害危険地
  氾濫平野と三角州 自然堤防 後背湿地
海岸の地形
身近な地形の特徴を成因と形成過程から探る。
水(河水,海水)の営みを探る。
 「扇状地の河川は水無川,では山から運んできた砂礫はどうなる?」
 「自然に堤防ができるって,どうしてできるの?」
(4)台地の形成
  海岸段丘 河岸段丘 隆起扇状地
台地はどうしてできる・・形成と特徴
 「台地の出身はいろいろ?」
(5)海面変化と地形
  海面変化 氷河地形 海面変化と地形
  沈水海岸 デルタとエスチュアリー
海面変化が作る地形・・その形成過程
 「リアス式海岸のある場所と無い場所,どう違う?」
 「デルタのある河川とエスチャリーになっている河川,どうして違う?」
(6)世界の大地形
  安定陸塊 古期 造山帯 新期造山帯
世界の地形の成り立ちと分布・・平野,低い山脈,険しく高い山脈

②気候から見た世界

項目ねらいに関する留意点
(1)気候要素と気候因子
  風 
  風の分布 大気大循環
  恒常風と気圧帯 地方風
  降水
  降水の分布 降水の原因
  降水の季節的配分
  気温 
  気温の分布 気温の較差
 気温の低減率




各気候要素の捉え方,とらえた気候要素の分布の特徴を捉える
 →そのように分布する理由を考える。
 世界の風系の分布の特徴
  →大気大循環(太陽エネルギー)
  →大陸と海洋
  →地形
 世界の降水分布の特徴
  →大気大循環(気圧帯の分布)
  →地形
 降水の季節的配分
  →太陽の回帰と大気大循環
 世界の気温分布の特徴
  →太陽エネルギー
 気温の較差
  →西岸・東岸,大陸性・海洋性
(2)気候区分
  ケッペンの気候区分 概要
  数値的意味
  砂漠と海流 砂漠の分布 ワジ
  オアシス 外来河川
  海流の分布 海岸砂漠







ケッペンの気候区分の考え方・・気候区分の仕方ではなく。
 「あなたなら暑い寒いをどうして区分する?」
  →ケッペンのアイデア
 「雨の少ないところは,乾燥している?」
  →降水量と蒸発量
 「同じ年降水量,同じ年平均気温,乾燥度は同じか?」
→夏雨と冬雨
 「京都も新潟も年中雨,夏雨,冬雨でないのはどうして?」
  →夏雨,冬雨を偏りで見る
 「乾季があるところはサバンナ,乾季でも熱帯雨林のところがある。さ  あ,どうする」
  →中間型
 「乾燥地(砂漠)が海岸にある。どうして」
  →海流(寒流)の分布から
(3)世界の気候分布
  東岸と西岸の特徴
  仮想大陸の気候分布
  冷帯の特徴
  高山気候
世界の気候区の成り立ちと分布・・分布の特徴
 「なぜ冷帯気候は南半球にないのか?」
 「シベリアを南北に区切るか,東西に区切るか,なぜ冷帯には2つの区  分の仕方がある?」

③地形図作成技術の変遷と地形図の読図

(1)地形図の基礎
 ⅰ) 地図の種類
  一般図と主題図 実測図と編集図
 ⅱ)縮尺
  大縮尺と小縮尺
 ⅲ)日本の基本図の変遷
  平板測量と空中写真測量
 ⅳ)地形図の作成
  図郭と緯度線 投影法
  基準点(三角点と水準点)
地形図の作成技術とその変遷
 「等高線の今と昔の表現の違いがわかるかな?」
  →山地の襞の表現
 「どうしてかな」
  →平板測量(個人の技)と空中写真測量(機械に技なし)
 「地形図は相対位置だけでなく,絶対位置が必要だけれどどうする?」
  →地形図の枠は経緯度線
 「どうして絶対位置を知る?どうして高さを知る?」
  →三角測量,水準測量
(2)読図の基礎
 読図(地形図を読む)とは
 ⅰ)経緯度を求める
 ⅱ)方位を求める
 ⅲ)距離を求める
 ⅳ)面積を求める
 ⅴ)標高を求める 等高線と基準点
 ⅵ)記号を理解する
 ⅶ)地形の表現の理解 等高線を操る
読図の2つの意味
 ・・①地形図の内容を理解する
 ・・②地形図の内容から推論する

 ①は約束事の理解
  ・意外に難しいのは記号の理解
   地形図の中での「これは何?」が大切
   →田圃のあぜ道をこんな道路記号で表現
  ・地形の表現の理解
   谷線・尾根線・尾根づたい・流域の理解
(3)地形を読む
 ②は本来の読図(読み解く)
  「この地形は何?」
  「この川の流路はおかしい?」

④アマゾンの熱帯林とその破壊

(1)アマゾンの熱帯林
 ⅰ)アマゾン流域の熱帯林
  セルバ カンポセラード
  熱帯雨林・熱帯季節林・サバンナ林
 ⅱ)アマゾンと熱帯林の生態系
  アマゾン平野の形成史
  テラフィルメと熱帯雨林の生態系
  テラフィルメの農業
  ヴァルゼアの特徴と農業
  アマゾン川の役割:内陸水路と農地=河港
 ⅲ)アマゾンの熱帯林の役割
  生物種の宝庫
  ・・遺伝子資源・生物的多様性
  環境保全
   ・・気候環境・森林環境・炭素固定
  森の民の生活と文化
アマゾンの熱帯林と生態系
 ・熱帯雨林気候からサバナ気候への植生の変化
「どうして?」
・アマゾン平野の地質構造から形成史を読み解く
 ・テラフィルメ・・貧弱な土壌と旺盛な森林
  「植物はどのように適応?」
 ・森の民・・耕さない農業
 ・ヴァルゼアは密林の世界でない。

  「アマゾンの雨はどこからやってくる?」
   →熱帯雨林からの蒸発散
   →熱帯雨林が無くなれば,気候も変わる
 ・熱帯雨林は炭素の源
 ・森の民から学ぶもの
(2)アマゾンの開発
 1960年代 アマゾン作戦
  制度的枠組み
 1970年代前半
  入植計画とアマゾン横断道路
  「土地無き人を人無き土地へ」
 1970年代後半~80年代前半
  大規模プロジェクト開発
   ・・牧場開発,大カラジャス計画,
     資源・エネルギー開発
     ロンドニア開発と東南部
 1980年代後半
  環境保護姿勢と経済破綻
アマゾンの開発の内容は変化している。
  「アマゾンへの最初の道路はなぜ横断道路なの?」
   →北東部の貧困の解消とアマゾン開発
  ・1970年代後半から開発は成長経済を維持するための投資先(軍事政   権の大衆迎合政治)
   →海外借款による自転車操業の始まり
  ・「ロンドニア開発の謎?」
   →アマゾン縦断道路と南東部の近代化・機械化

4.評価と今後の課題
 評価に関しては,十分な評価の検証はできていない。むしろ,そのような検証方法が今後の課題である。
 授業改善の観点からは,先にも述べたが,追体験出来るような作業学習を工夫していくことが必要だろう。
 地形や地形図の単元は,特に身近な内容を含んでおり,生徒達が自主的・創造的学習活動につなげる可能性をもっている。そのための発展的教材を提示出来ればと考えている。

 【他教科の取り組み::地理・歴史】 第2年次まとめ(地歴-世界史) (2007.03.31)

1.教科指導方針について
①SSHの目標と世界史との関連
 世界史の中では,「前近代の世界の諸地域で芽ばえた自然科学の諸相,近代では科学革命と二次にわたる産業革命が人類に与えた影響,現代においては科学技術と国家の関わりなどを視野に入れて授業を構成すること」を取り組み内容としている。一方,世界史Bについて,学習指導要領では,『大項目「(1)世界史への扉」の「イ 日常生活に見る世界史」で,衣食住,家族,余暇,スポーツなどから適切な事例を取り上げて,その変遷を追求させ,日常生活からも世界史がとらえられることに気付かせる。』と記されている。また,『大項目「(5)地球世界の形成」で科学技術の発達や生産力の著しい発展を背景に,現代世界は地球規模で一体化し,相互依存を強めたことを理解させる。また,国際対立と国際協調,科学技術と現代文明などの観点から20世紀の歴史の特質を考察させ,未来を展望させる。「オ 科学技術の発達と現代文明」で,情報化,先端技術の発達,環境問題などを歴史的観点から追求させ,科学技術と現代文明について考察させる。』と,記されている。

②展開計画
 授業内容には,科学的分野に関する取り扱いが多く含まれており,単元の中で意識して強調することとなった。取り扱った内容は以下の表に示した。

単元 取り扱う内容や観点
古代オリエント

自然現象に対する観察は,古くから行われていた。
神官たちが季節の変わり目の予言や暦の作成。
この知識は一部の神官に独占され,呪術的・宗教的な領域であった。
古代ギリシア


自然哲学の誕生
万物の根源(アルケー)の探求
タレス,デモクリトス,ピュタゴラス
アリストテレスの自然学体系化
ヘレニズム

エジプトのアレクサンドリアの王立研究所(ムセイオン)
数学・物理学・天文学・解剖学などの研究
エウクレイデス(ユークリッド),アルキメデス
中世ヨーロッパ

ヨーロッパは宗教的権威の絶頂期
アラビア(イスラーム)科学,インド代数学
イスラームの学問の翻訳
ルネサンス

実験的態度の形成 ― ロジャー=ベーコン
神学的世界観の克服 ― コペルニクス,ジョルダーノ=ブルーノ
三大発明(改良) ― 火器・羅針盤・活版印刷術
17世紀の科学革命


観測と法則化 ― フランシス=ベーコン,デカルト
近代科学の父 ― ガリレオ=ガリレイ
万有引力の法則 ― ニュートン
産業革命に貢献した様々な技術を生み出す原動力となったことを強調
産業革命



科学と技術が一体化していく典型
社会の要請から生み出された成果
 飛び杼→紡績機→力織機
動力源の変化
技術革新がもたらす負の部分 ― 労働問題・社会問題
19世紀の文化

物理学,化学,生物学分野の進歩
電気エネルギーの利用
重要な発明 ― 科学分野・熱機関分野・電気分野
帝国主義
産業革命を達成した国々の対外発展 ― ヨーロッパ中心の分業体制
第二次産業革命 ― 電力・石油を動力源
二つの世界大戦
第一次世界大戦における新兵器活用
ナチスの毒ガス使用,広島・長崎への原子爆弾使用
今日の社会 科学と技術の関係,技術と国家,技術と軍事,技術と環境

③授業のねらいと工夫
 上記の項目にはないが,中学校の歴史的分野での学習内容が精選され,世界史に関わる項目が大幅に削減されたことから,初めて学習する内容が多くなった事情を背景に,「世界史の扉」がはじめに設置されている。世界史の導入的役割を持たせる狙いがあり,世界史を学ぶことは,外国のしかも遠い過去の出来事を知ることだけではない。世界の歴史には自分たちに身近なものや自分たちの暮らす日本とつながりを持った事柄があると気付かせることで,歴史的視野を広げ,歴史に対する興味や関心を深め,学習する意欲を高める効果が期待する。「主題を設定し追求する学習」として設定する中で,本来は導入的要素が強調される。導入的なあつかいは時間的な制約もあり,できなかったが,「日常生活にみる世界史」をテーマとして夏休みのレポートとして実施した。
 また,「産業革命」の単元では,科学と技術が一体化される典型例として授業を展開した。
 「科学」とは「技術」とは何なのか。しばしば「科学」と「技術」は「科学技術」とくくられ,一体化したものとと考えられる。確かに,両者は密接に関わっている場合が多いが,本質的には異なるものである。「科学」とは,自然や社会の法則を秩序だてた知識そのもの,そしてそれを追究することとされ,特に自然を対象とした知的好奇心を出発点とする考察(いわゆる自然科学)が「科学」ととらえられる。一方,「技術」とは,その時代の最新の知識に基づいて,生活の利便向上のために物を作ったり,加工したり,操作したりする手段とされ,必然的に道具・機械と結びつく。また「科学」は学者が,「技術」は職人がと,異なった社会階層によって担われてもきた。このように「科学」(SCIENCE)と「技術」(TECHNOLOGY)は,従来はっきり区別されていた。それが,一体化していったのが,産業革命の時代であった。
 蒸気機関を発明したニューコメンは発明家・企業家であるが,もとは金物屋であり,蒸気機関を改良したワットも機械職人であった。ワットは,グラスゴー大学で実験用のニューコメンの蒸気機関の模型の修理を行うことから,その問題点や改良点を見つけていったことなど,科学技術が身近なものであることを強調したのである。事後学習で,夏休みの課題として,「産業革命における技術の革新」をテーマにレポートの作成を求めた。夏休み後に提出されたその内容を紹介しておく。内容を分類すると,「動力源の蒸気機関が改良され発展する経緯をまとめたもの」が43.9%,「産業革命の波及の経過(日本の産業革命の状況含む)をまとめたもの」が19.5%,「産業革命の経過から労働問題に焦点をあてたもの」が14.6%,「軽工業(綿工業)分野の技術革新」が12.2%,「蒸気船に焦点をあてたもの」が4.9%,「蒸気機関車と鉄道の発展」が4.9%であった。
 「蒸気機関が改良され発展する経緯をまとめたもの」においては,ニューコメン以前に,トーマス・セィヴァリーが水蒸気を冷却することによる負圧を利用して蒸気機関を考案し,図示して特許を得ていた事実や,ニューコメンの蒸気機関のシステムを調べたものなど技術に興味をもった内容がみられた。

④今後の課題
 レポート提出後の感想としては,ねらいが達成されていることを確認した。ただレポートのテーマが「産業革命における技術の革新」と漠然としたものであり,今後は,サブタイトル的な形で,特徴的なテーマ設定をする必要を感じた。「動力源の変化」「産業革命の波及の経過」「綿工業分野の技術革新」「交通革命」「産業革命が生み出した社会問題」などが考えられる。また,「蒸気船」「蒸気機関車」「石炭」などものをテーマにするのも一考である。
 産業革命の単元は,特に身近な内容を含んでおり,生徒達が自主的・創造的学習活動につなげる可能性をもっている。レポート作成,発表させて,終わるのではなく,そのための発展的教材を提示出来ればと考えている。

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