1.実施日時
2006年7月20日(木)8:00~7月22日(土)16:30
2.実施会場
京都大学フィールド科学教育センター 舞鶴水産実験所
3.指導者
益田怜爾助教授
4.参加生徒
1年18名 2年2名 合計20名
5.目標
(1)校内での学習では実施できない「試料の採集から実験の実施まで」の一連の過程を経験させる。
(2)校内で行う授業のための標本を作成し,他の生徒の利用に供させる。
(3)研究者たちと寝食を共にし,共同研究者としての意識を持たせる。
6.内容の詳細
(1)事前学習
授業(生命科学Ⅰ)では,発生分野を一部扱っていなかったため,事前学習を行った。内容は次の,①生殖,②受精,③卵の種類と卵割,④ウニの発生順序および胚の名称と各部の名称について学習した。
(2)日程
1日目
午前:移動
午後:機材搬入,媒精,発生観察
夜:発生観察
2日目
朝:発生観察
午前:スーツあわせ,シュノーケリング練習,乗船,磯観察
午後:磯観察
夜:採集生物の夜の生態観察,発生観察
3日目
朝:発生観察,記録のまとめ
午前:講義(魚類心理学),撤収作業
午後:移動
昨年度より,希望者による実施とした。1年生の募集人数18名に対し,応募者24名であった。従って,作文による筆記試験,および顕微鏡の操作とスケッチによる実技試験を実施した。平常の授業や実習態度も加味し,1年生担当教員2名と実習助手1名により参加者を決定した。応募者の多くは応募と同時に,顕微鏡操作の練習を放課後等に行い,実技テストに備えていた。
昨年と同様,希望者のみで実施したことにより,積極性の見られる臨海実習になった。与えられた課題(観察等)だけではなく,機材の搬入等さまざまな点において,実習環境を整えるための行動も見られた。本年度より先生や院生と交流を持つ時間も増え,研究の現場により深く触れさせることができた。
7.本校教諭の感想と評価
生徒の感想からは,さまざまな体験ができたこと,新たな発見に好奇心をかき立てられた,研究に携わる楽しさを知ることができた,など評価が高かった。また,生物が生活する自然環境を肌で感じる機会となり,自然科学を志す生徒にとっては何ものにも代えがたい経験になると考えている。
本年度はウニの発生標本作製を実施したが,一般生徒に供するものができなかった。また,継続的な研究や発表につながる取り組みにはつながらなかった。入学して初めての大きなSSC活動になるので,今後のSSC活動の活性化に寄与するよう,事前・事後指導も含めて有効な実施を図りたい。
8.生徒の反応
希望者からさらに選抜を行った結果,意欲的に取り組む生徒の参加となった。実験準備,発生実習,片づけまでスムーズに行えた。また,益田先生や大学院生が行っている実験・研究にも興味・関心を持ち,さまざまな質問をしている場面が多くみられた。以下は生徒の感想である。
ウニがだんだん形を変えて成長してゆくところがとても楽しく,顕微鏡の前に座っていないと落ち着かなくなった。発生過程の段階を一つ一つ実際に目で見られてとてもよかった。アリストテレスのちょうちん(ウニの口)を解剖して内臓をきれいに取り出したときの達成感は大きいものだった。
ウニのプリズム幼生期やプルテウス幼生期のとき平面でしか見たことがなかったので,まさかスペースシャトルのような形をしているとは思いもよらなかった。
はじめは23:00まで観察できるかと思ったけれど,ウニが徐々に変化していく姿を見て夢中になって観察し続けてしまった。
ウニに合わせた生活はすごく難しかったけれど,発生過程を見ることができ,充実した3日間でした。孵化の瞬間が一番感動しました。
磯観察ではウニを中心とした生態系を知ることができた。・ワカメなどのウニの餌になるものと,ウニを捕食する動物との関係が思ったよりも複雑だった。
磯観察では様々な種類の魚や海藻に出会えて,まったく飽きず,楽しかった。ナガニシがおいしかった。
特に夜の講義が面白く,先生や研究生方の発想力,探求力,また仮設をしっかりたてて,その仮説を一年以上かけて実証する根気に驚かされました。
研究内容も興味深かったけれど,なによりも動機,それからの仮説,実験の方法,など,動機から実験調査への組み立てがたいへん参考になった。