ミツガシワ 
Menyanthes trifoliata L.




深泥ヶ池のミツガシワ群落

○ミツガシワは氷期の生き残り
 属名の Menyanthes は、「表現する menyein」+「花 anthos」で房状の花が徐々に開くようすから付けられたもので、種名のtrifoliata は、「三葉の」の意味です。(図説花と樹の大事典 植物文化研究会編 柏書房 1996 による)


 

 京都では市内北部の松ヶ崎にある小さな池 深泥ヶ池に自生していて、4月の中旬白く可憐な花を咲かせます。
  しかしミツガシワは京都のような温暖な地域に自生していることはたいへん珍しいのです。というのもこの植物は高山の沼沢地に生える水生植物で、尾瀬沼や東北・北海道などの寒冷な湿地帯では普通に見られるのですが、暖かな地域には普通見られません。
  地球の表面温度は百万年ほど前から次第に低温となり、やがて寒冷な時期(氷期)と温暖な時期(間氷期)とが十万年周期で繰り返すようになりました。現在は温暖な時期で約2万年ほど前におとずれた氷期(最終氷期・ヨーロッパではウルム氷期と呼ばれている)の後の時期となっています。この最終氷期のころは、海面が100mも下がっていて大阪湾も陸地になっていました。山の間の池や湿地には寒冷な気候で育つ植物が見られました。





 


 

 

ここにあるミツガシワも深泥が池から移植されたものです。
近年発行された京都府レッドデータブックにも要注目種としてあげられています。