ムクロジ
Sapindus mukurossi (ムクロジ科)

           

 温暖な地域に植栽される、あるいは半野生化する落葉高木です。大きな羽状偶数複葉を持ち、6月頃に円錐花序にたくさんの花をつけます。


  属名のSapindusは、ラテン語で“石けん”を意味する“sapo”と“インド産”を意味する“indus”をつなぎ合わせたものです。種小名は日本語のムクロジのことです。果皮には多量のサポニンを含み、水を泡立てる働きがあるので、洗濯などに広く利用されてきました。試しに一個分の果皮を水の入ったペットボトルに入れて振ってみました。とてもよく泡立つことに驚きました。日本では油脂から作る石けんや合成された洗剤が主流を占めるようになりましたが、アジアの諸国では今なお天然のサポニンを含む植物を利用しているところがあるようです。

 


 ムクロジ科には、熱帯果物として人気のあるレイシ、ランブータン、リュウガンや日本でも観賞用に植えられるツル植物のフウセンカズラなどが属しています。ムクロジの熟した果実は、果皮がつやのある黄褐色の半透明になり、中に一個の黒い種子を含んでいます。種子はとても堅く、よく弾むので羽子板の羽のおもりとして利用されたり、また、煎って食べることもできるそうです。