エスニック

感想・質問へのコメント



エスニック「10歳までに味覚が決まる」という話
エスニック好き嫌いのお話
エスニック糖度計のお話
エスニック漬け物の栄養
エスニックお米の品種による栄養の違い
エスニック昔の人が力持ちだったというお話
エスニックお米の備蓄のお話
エスニック食料・農業・農村基本法について
○ 「10歳までに味覚が決まる」という話
 この間のお話の中で10歳までに味覚が決まるということをお話しさせていただきました。これは、人間の味覚が習慣によって形成されるということです。ですから、皆さんがもう、10歳以上になっていて、もう遅いと悲しむことはありません。
 やはり小さい頃に、繊細な味覚を身につけておくことというのはポイントになるかもしれませんが、今からでも遅くはないと思います。
 人間の味覚というのは、いつも食べているものに対して敏感になります。みなさんは、おじいちゃんなどがこのメシはまずい!とかうまい!とかって言っているのを聞いたことがないですか?この間昔の人はよくご飯を食べるというお話しをしましたが、ご飯をたくさん食べていた昔の人は当然、おいしいと感じるご飯とそうでないご飯を見分ける味覚を身につけているのです。食べ慣れていることというのは、そういう意味で、いつも食べているもの=その人がおいしいと感じるものということになります。
 日本では、豊かな風土の上に、四季折々の野菜や魚など様々な食べ物を食べることができます。日本の伝統的な和食では、そうした素材の持ち味を最大限引き出すような料理の仕方をしているでしょ。材料そのものがおいしいから、少ししか手を加える必要がなかったからです。そういうものをいつも食べていれば、自然と野菜一つ一つの味の持つおいしさの違いがわかるようになるはずです。
 ヨーロッパは、どうですか?住んだことのある人はわかると思いますが、日本のようにほっといても雑草がにょきにょき生えるようなところは南の方の国くらいで、ほとんどの国は厳しい自然と向き合っています。そういう厳しい自然の中で、乏しい食べ物をいかにおいしく食べるか・・・ということで、フランス料理などはおいしいソースを発明したのです。いかにおいしく、熱量を取るか・・・・ということで、フランス料理などはソースを充実させてきたんですね。マヨネーズ、ケチャップなどの調味料も熱量(カロリー)があるものになります。
 日本は、そんな必要がなかったのですね。日本は豊かですから、調味料から熱量をとる必要がなかったんです。塩、みそ、酢、しょうゆなどはほとんど熱量(カロリー)がありませんね。まさに、FOOD(食べ物)は風土が決めるんです。
 皆さんは、是非、お米や野菜などのそれぞれが持つおいしさを楽しんで味わってみて下さい。皆さんのお父さん、お母さんだって今からでも遅くはないんですよ。

○ 好き嫌いのお話
 これもお話ししましたが、酸味、苦み、辛みは大人の味です。すっぱいというのは、腐っているということを本能的にキャッチして、赤ちゃんや小さい子どもはすっぱいものが嫌いです。苦いもの、辛いものも同じで何か危険な食べ物ということを本能的に感じるから嫌いになるんですね。段々大きくなって、大人に近づくにつれ、そういう味の物の中にも安全に食べられるものがあるというのを頭で理解できるようになれば、次第に食べられるようになります。いも類なども皆さんはさといもよりさつまいもの方が好きだと思います。ぬるぬるしたものも腐っている可能性があるという自己防衛が働くからです。
 ですから、酸っぱかったり、苦かったり、辛かったり、臭かったり、ぬるぬるしたりするものを皆さんが今、食べられなくても気にすることはありません。大きくなれば、きっと食べられるようになります。ということです。

○ 糖度計のお話
 皆さんに糖度計のお話しをさせてもらったら、たくさんの人が興味をもっていましたね。この糖度計というのは、果物などの中にどれくらい糖(砂糖などの成分の糖)が含まれているかを割合で示すものです。
 糖度計には、いろいろな機械があって、ハンディータイプの直接果汁に浸して計るものから、ベルトコンベアーにのせてセンサーの中を通すだけで計れるものまでいろいろあります。センサーで計るというものは、選果場といって例えばみかんの産地で収穫したみかんを集めて、等級分け(秀、優、良などみかんの品質によって仕分けすること、之によって市場での値段も変わってきます。)して、箱詰めし出荷するまでの作業をするところで使われています。なぜ、センサーを使うか・・・いちいちみかんをつぶして計っていては商品として売れない分がたくさん出て、商売にならないよね。また、ベルトコンベアーで走らせるだけで計れればその後、等級分けするのも便利ですよね。
 みかんの例で言うと、みかんのおいしさは甘さだけでなく酸っぱさも重要になるので、みかんの選果場で使われているのは糖度・酸度を両方計ることのできるセンサーです。
 果物のおいしさというのは、大体甘さと酸っぱさで決まります。りんご、ぶどう、桃、梨、桃などみんなそうですね。酸っぱさがないのは、スイカ、メロンというところでしょうか。ですから、スイカやメロンの選果場では糖度計のみで対応できます。ただし、全国どこでも果物の産地で糖度計が置かれているというわけではありません。また、基準とする糖度も産地によって違ってきます。あまり、高い基準を付けすぎると、ほとんどが秀という一番良い品質ですよというマークを付けることができなくなるからです。
 皆さんも果物によって必要な甘さというのは違うと感じていると思います。その通りで、糖度が何パーセントなら、完璧という基準は作ることはできません。
 例えば、みかんの品評会で優秀賞をとったみかんなどは糖度が15%というものがありましたが、これはかなり高い値です。
 
○ 漬け物の栄養
 漬け物について質問してくれましたね。漬け物はお話したように古くから保存食として非常に重宝されてきたまさに「おばあちゃんの知恵袋」の一つと言えます。
 漬け物のメカニズムは生の野菜を漬けることによって酵素の作用で分解されて、塩分によって水分が野菜の細胞から出ていって、そこに乳酸菌をはじめ様々な微生物が繁殖するというものです。乳酸菌は腐敗の原因となる有害微生物の繁殖を防ぎ、漬け物の保存性を増すだけでなく、塩味をまろやかにし漬け物独特の風味を出します。
 生の野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含みますが、ほとんどが水分であるため、サラダなどで一度に摂取できる栄養素はわずかです。漬け物は水分を出して野菜を圧縮して食べられるため、わずかな量を食べるだけで良質な栄養素をたくさん食べられることになります。
 漬け物といえば、塩分がたくさん含まれている食べ物というイメージで、塩を取りすぎるのではと心配になるかもしれません。本来塩というのは塩化ナトリウム(NaCl)に様々なにがり(ミネラル)が含まれています。ところが、最近の精製塩は塩化ナトリウムが限りなく100パーセントに近くなっています。そのため、味にもまろやかさがありません。適度ににがりが含まれた塩を使いたいですね。
 また、ビタミンCなどが漬け物には不足するのでは?とういう質問がありましたが、確かにビタミンCは壊れやすいもので漬け物にして長く漬け込むと減少しますが、野菜というのは、果物やいも類などと比較すると、元々それほどビタミンCは多くありません。したがって、生でも漬物でもそれほど変わらないのです。野菜の栄養ということでは、ビタミンCというよりはむしろ、ビタミンB群やカリウム、カルシウムなどのミネラル類の供給源としての意味が強いのです。そして、ビタミンB群などは醗酵させることによって増加します。
 このように漬け物パワーというのは最近では結構見直されています。是非、ミネラルをきちんと含んだ塩でちゃんと発酵した漬け物を食べてみて下さい。きっと、おいしいはずです。
 京都には昔から伝統的な漬け物の製法があったり、漬け物と京都の人の生活は深く結びついています。皆さんも漬け物についてもっと詳しく調べてみてはどうでしょうか?

○ お米の品種による栄養の違い
 お米には、長粒種という粒の長いお米(インディカ米といって中国の中南部、タイ、ベトナム、インド、マレーシア、フィリピンや米国で主に作られ、生産量が最も多い炊くとパサパサとしたお米)と、短粒種という粒の短いお米(ジャポニカ米といって日本、挑戦半島、中国東北部などで主に作られ、炊くと粘り気とツヤの出るお米)と、その中間の中粒種というお米(ジャバニカ米といってアジアの熱帯高地、アメリカ、ブラジル、イタリア、スペインやアフリカなどで主に作られていますが、栽培量は少ない味はあっさりして粘りがあるお米)があるというお話をしましたね。
 このそれぞれの品種でそれぞれで栄養が違うのか?という質問をしてくれましたね。
 皆さんもインディカ米のタイ米がパサパサしていて、日本の粘り気のあるお米とかなり異なるということは知っていますよね。アメリカなどではお米がサイドディッシュ(肉や魚の付け合わせ)として野菜同じようにして食べられているというお話に驚いたという感想を書いてくれましたね。
 このインディカ米と日本でよく食べられているジャポニカ米については、基本的な栄養素という観点では、ほとんど違いはありませんが、お米に含まれているでんぷんの違いで粘り気の点で違いがあります。お米に含まれるでんぷんには大きくわけて、アミロースとアミロペクチンの2つがあります。アミロースはブドウ糖が長い鎖のように一列につながっています。これを仮に糸だとすると、一方のアミロペクチンはブドウ糖が途中でいくつにも枝分かれしていて、糸の束がいくつも合わさったような形をしています。この枝分かれがでんぷんを加熱したときに、強い粘り気を出します。さらに、強くこねたり、ついたりすると、この枝分かれ部分がもつれて強い粘り気を出し、餅のようになるのです。
 お米にはこのアミロースとアミロペクチンが混合して含まれていて、インディカ米にはアミロペクチンがほとんど含まれていません。反対にジャポニカ米にはアミロペクチンが多く含まれています。このアミロペクチンの含有量の差が、ご飯の粘り気や口当たりの違いとなって出てくるのです。アミロペクチンの含有比率が高くなるほどご飯の粘り気は強くなります。これが極端に強いのが餅米です。

 ついでに簡単に白米と玄米の栄養の違いを説明すると、白米というのは玄米の周りにある糠と胚芽の部分をとってしまったものを言い、この糠、胚芽部分にビタミン、ミネラル、脂肪、食物繊維がたくさん含まれています。宮沢賢治さんが玄米と少しの野菜と味噌で農作業など重労働ができたのは、栄養分をたくさん含んだ玄米を食べていたからだと言えると思います。玄米は炊くのに圧力鍋などを使わなくては難しいという話もありますが、十分水に浸して、炊けば普通の炊飯器でも結構おいしく食べられます。また、今は、お米屋さんで、3分搗き(3割精米したもの)、5分搗き(5割精米したもの)、7分搗き(7割精米したもの)などといって、精米度合いに合わせて精米してもらえますので、5分搗きくらいなら、栄養分も残っていて食べやすいのではないでしょうか?

○ 昔の人が力持ちだったというお話
 明治10年頃、ドイツ人のベルツという人が日本に来て東京大学医学部で教えていました。このベルツさん、日本に来たら日光を見なければと薦められ、日光(110kmの道のり、馬でも2日かかる距離)まで、人力車を雇いました。ベルツさんは体重が80kgありましたから、馬で2日もかかるなら、もっとかかるだろうと思っていました。ところが、人力車は21歳と24歳の2人が引いてくれたのですが、ご飯の時間を含め14時間半で日光に着いたものですから、とても驚きました。一体何を食べているのかと聞くと、玄米、あわ、ひえ、じゃがいも、大麦をたくさんたべているということで、今からすれば大変な粗食でした。ベルツさんは、それでこんな力が出るのは信じられないということで東大に帰って二人を雇って、3週間、80kgの人を40kmひかせる実験をしました。その結果、二人の体重は全く変わらなかったのです。次に、その二人にドイツ人と同じ肉を中心とした食事をさせて走らせたら3日でダウンしてしまったそうです。
 ベルツさんは28年間日本で過ごして、日本人には日本の伝統食が一番といいました。それなのに、明治時代の知識人は外国人との体格の差に驚いて、西洋と同じ食事をすればきっと大きくなるに違いないと思って西洋食を広めようと考えたそうです。
 皆さんどう思いますか?

○ お米の備蓄のお話
 皆さんにはいろんなお米のお話をしました。あれからご飯を食べる量は増えていますか?おかずより、まずご飯。おかずというのは副食といって、ご飯を食べるためのものなんですよ。まずは主食であるご飯をしっかり食べることが大切です。
 さて、そのご飯の生産については、皆さんの食べる量が減って、仕方なく生産も減らしているというお話をしました。ところが日本人が好むジャポニカ米という粘り気のあるお米を生産できる地域は世界でも限られています。異常気象など何かあったときにお米が不足したら、とたんに困ってしまいますね。
 皆さんには平成5年、今から6年ほど前に冷害でお米がとれなかった時があったというお話をしました。そのときは、緊急輸入といってタイなどからお米を緊急的に輸入したのです。でも、タイで作られているお米はインディカ米といって細長いお米で日本人の舌にはなかなか合いませんでした。そういう反省もあって、備蓄制度というのを新しく作りました。つまり、ある程度のお米を倉庫にたくわえておいて、困ったときにそれを食べるようにするというものです。こういうお米を「たくわえくん」と呼んでいて。皆さんも柔道のやわらちゃんこと田村亮子さんがテレビのCMでご飯を食べているのを見たことがないですか?
 今は備蓄米は150万トンくらいあります。年間の日本人の消費量が1000万トンですから、その15%ということですね。今度、お米やさんで「たくわえくん」を見つけたらそういうお米なんだということに気付いて下さいね。

○ 食料・農業・農村基本法について
 皆さんにお話した時に、「ちょうど昨日、新しい法律が国会を通りました」と紹介しましたね。食料・農業・農村基本法というのはお話ししたとおり、昭和36年、今から約40年ほど前に作られた農業基本法を見直して新しく作った法律です。
 名前からして農業だけでなく、食料のこと、農村のことも含めた何か幅広い法律だというイメージがしませんか?
 今、日本で農業というとなんかつぶれそう、とか、暗いとかと思われがちですが、やはり国にとって食べる物を生産する農業というのはとても大切なものです。皆さんはこの間一緒に勉強してそのことをよくわかってくれたのでは?と思います。
 その農業というのは、食べ物にも大きく関係するし、農業をする土台になる農村という地域の問題にも大きく関係するということで、このような法律が作られたのです。
 この中では農業というのは単に食料を作るだけでなく、自然環境を守ったり、水を蓄えたりといろんな役割を果たしているということも書いてあります。そういう農業を日本の中でしっかりやっていくこと、そして今4割くらいになってしまった食料の自給率を高めていこうということで、新しく作る基本計画という計画の中で目標を書いて、その目標を達成するために、どんなことをしていくかも決めていきます。
 そして、食べる人も巻き込んで、自給率を高めることに協力してもらう、努力してもらう・・ということも考えています。
 皆さんも、是非、そういうことを生活していく中で考えてみて下さいね。
 また、農林水産省のホームページ(http://www.maff.go.jp)の中で食料自給率の早見ソフトというのが無料で手に入るようになっています。このソフトを使えば、自分の食べた物の自給率がすぐわかるようになっています。
 皆さんの中には桃山小学校の給食の食材調べをした人もいると思います。そうやって調べた給食の献立が大体自給率何%くらいになるか・・・なんてことも調べることができます。是非、試してみて下さいね。
トップ アイコン
トップ


エスニック